芸能

『ポツンと』躍進が示す2時間特番へのNO、1時間番組復権へ

躍進する『ポツンと一軒家』(公式HPより)

 バラエティー番組『ポツンと一軒家』(テレビ朝日系)が躍進している。それとともに、「1時間番組の復権」とも言える状況が明らかになっている。その背景についてコラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 2月24日の放送で『ポツンと一軒家』が視聴率16.4%を記録し、バラエティーのトップを走り続ける『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)の16.3%を上回ったことが話題となっています(ビデオリサーチ、関東地区)。

 ただ両番組の差はわずかであり、2月18日~24日の一週間に放送されたバラエティーの中で、視聴率ランキングは2位と4位であり、「どちらが勝ち」というより「どちらも勝ち」と言える結果でした。

 特筆すべきは、両番組が日曜20時台という同じ時間帯であること。同じ時間帯にそれだけ多くの人がバラエティーを見ていたことの証であり、テレビ業界にとって明るい兆しと言えます。

 さらに注目したいのは、両番組ともに1時間番組であること。2010年代に入って「特別感を出すため」「一定の視聴率を確保するため(視聴率ダウン防止策)」「経費削減のため」などの理由から、各局が一年中“2時間特番”を放送するのが当たり前となった中、通常の1時間番組が支持されているのです。

◆視聴率ランキングでは1時間番組が圧倒

 先述した視聴率ランキングのトップ10を見てみましょう。

1位『笑点』(日本テレビ系、30分)17.9%
2位『ポツンと一軒家』(テレビ朝日系、1時間)16.4%
2位『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系、1時間)16.4%
4位『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系、1時間)16.3%
5位『チコちゃんに叱られる!』(NHK、45分)再放送16.2%
6位『チコちゃんに叱られる!』(NHK、45分)14.8%
7位『有吉ゼミ チャレンジグルメ 冬の大波乱SP』(日本テレビ系、2時間)14.3%
8位『笑ってコラえて!冬SP』(日本テレビ系、2時間)14.2%
9位『嵐にしやがれ』(日本テレビ系、1時間)13.9%
10位『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ系、1時間)13.8%

 10本中8本が1時間以下の番組であり、8位の『笑ってコラえて!』も今回はたまたま2時間というだけで、通常は1時間で放送し続けています。ちなみに先週と先々週は10本中9本が1時間以下の番組であり、支持を集めている様子がわかるのではないでしょうか。

 現在、「プライムタイム(19~23時)で放送されているバラエティーの約半分が2時間以上の番組」と言われる中、1時間番組が結果を出しているのです。

 これまで業界内では、「1時間番組がいいのではなく、『日本テレビのバラエティーが強い』というだけ」と言われてきましたが、昨秋にスタートしたばかりの『ポツンと一軒家』がその見方が正しくないことを証明。今後の番組編成に一石を投じているのです。

 では、なぜ1時間番組が結果を残しているのでしょうか?

◆“2時間強特番”は弱者の戦略

関連キーワード

関連記事

トピックス

川崎、阿部、浅井、小林
〈トリプルボギー不倫騒動〉渦中のプロ2人が“復活劇”も最終日にあわやのニアミス
NEWSポストセブン
驚異の粘り腰を見せている石破茂・首相(時事通信フォト)
石破茂・首相、支持率回復を奇貨に土壇場で驚異の粘り腰 「森山裕幹事長を代理に降格、後任に小泉進次郎氏抜擢」の秘策で反石破派を押さえ込みに
週刊ポスト
別居が報じられた長渕剛と志穂美悦子
《長渕剛が妻・志穂美悦子と別居報道》清水美砂、国生さゆり、冨永愛…親密報道された女性3人の“共通点”「長渕と離れた後、それぞれの分野で成功を収めている」
NEWSポストセブン
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《母が趣里のお腹に優しい眼差しを向けて》元キャンディーズ・伊藤蘭の“変わらぬ母の愛” 母のコンサートでは「不仲とか書かれてますけど、ウソです!(笑)」と宣言
NEWSポストセブン
2020年、阪神の新人入団発表会
阪神の快進撃支える「2020年の神ドラフト」のメンバーたち コロナ禍で情報が少ないなかでの指名戦略が奏功 矢野燿大監督のもとで獲得した選手が主力に固まる
NEWSポストセブン
ブログ上の内容がたびたび炎上する黒沢が真意を語った
「月に50万円は簡単」発言で大炎上の黒沢年雄(81)、批判意見に大反論「時代のせいにしてる人は、何をやってもダメ!」「若いうちはパワーがあるんだから」当時の「ヤバすぎる働き方」
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《お出かけスリーショット》小室眞子さんが赤ちゃんを抱えて“ママの顔”「五感を刺激するモンテッソーリ式ベビーグッズ」に育児の覚悟、夫婦で「成年式」を辞退
NEWSポストセブン
負担の多い二刀流を支える真美子さん
《水着の真美子さんと自宅プールで》大谷翔平を支える「家族の徹底サポート」、妻が愛娘のベビーカーを押して観戦…インタビューで語っていた「幸せを感じる瞬間」
NEWSポストセブン
“トリプルボギー不倫”が報じられた栗永遼キャディーの妻・浅井咲希(時事通信フォト)
《トリプルボギー不倫》女子プロ2人が被害妻から“敵前逃亡”、唯一出場した川崎春花が「逃げられなかったワケ」
週刊ポスト
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“1000人以上の男性と寝た”金髪美女インフルエンサー(26)が若い女性たちの憧れの的に…「私も同じことがしたい」チャレンジ企画の模倣に女性起業家が警鐘
NEWSポストセブン
24時間テレビで共演する浜辺美波と永瀬廉(公式サイトより)
《お泊り報道で話題》24時間テレビで共演永瀬廉との“距離感”に注目集まる…浜辺美波が放送前日に投稿していた“配慮の一文”
NEWSポストセブン
芸歴43年で“サスペンスドラマの帝王”の異名を持つ船越英一郎
《ベビーカーを押す妻の姿を半歩後ろから見つめて…》第一子誕生の船越英一郎(65)、心をほぐした再婚相手(42)の“自由人なスタンス”「他人に対して要求することがない」
NEWSポストセブン