歳を重ねていれば、治療を取りやめるという判断も有力になってくる。
2017年に国立がん研究センターが全国のがん拠点病院の症例を集計したデータでは、大腸がんのステージIVで「治療なし」の割合は65~74歳では6.7%だが、75歳以上では14.7%と倍増し、85歳以上では36.1%と3人に1人に達する。
「肛門に近い部分の大腸がんを切除すると排尿障害や性機能障害などの後遺症や、人工肛門になるケースがあります。
ロボット支援手術や腹腔鏡手術だと神経や肛門を温存しやすく、これらのリスクを減らすことができる。その場合でも、抗がん剤治療や放射線治療は可能です」(高橋医師)
※週刊ポスト2019年3月15日号