国内

女性社長 心がけるのは「自分」ではなく「相手」の喜び

「柴田陽子事務所」代表取締役の柴田陽子さん(撮影/田中智之)

 真っ白なワンピースにキレイに整ったネイルが映える。

「学生時代は甘えん坊ぎみで、キャリアウーマンになるタイプじゃなかった。周りからは“きっと幸せな奥さんになる”といわれていました」

 笑顔でそう語るのは、柴田陽子さん(47才)だ。彼女は社員20人を擁する「柴田陽子事務所」の代表取締役。

 今年1月にリニューアルされた東京會舘や、渋谷ヒカリエのレストランフロアなどのブランディング・プロデュースを手がける稀代のヒットメーカーだ。そんな柴田さんを一言で表すなら、「まっすぐ」。

「私が提案するのは、奇をてらわず、素直にたくさんの人が共感できるような正攻法のプランです」(柴田さん・以下同)

 柴田さんは「社会の中での男女差を感じたことはあまりないんです」と話す。

「多くの男性は“働いて家族を養わなくてはならない”と定められているかのように、横並びの人生です。一方で女性は結婚して主婦になるだけでなく、キャリアウーマンの道もあるし、子供を産む、産まないという選択もある。男性がそんな十人十色の女性の生き方をすべて理解するのはなかなか難しいと思う。だから女性は“男の人は女性のことを何もわかってない”と過剰に反応すべきではないと思っています。

 自分をしっかり持って、周囲を巻き込んでサポートしてもらえば、女性も必ず社会で活躍できるはず。女性も『やりたいこと』ばかりを主張して『やるべきこと』をやらないのは違うと思うんです。社員にも優しく接するだけでなく、やらなければいけないこと、ダメだと思うことはしっかりと伝えます」

 どこまでもまっすぐな柴田さんが公私共に心がけるのは、「自分」ではなく、「相手」の喜びだ。仕事では相手の嗜好や思考を考えて、手土産や言葉遣いの一つひとつに細かな配慮を欠かさない。

「愛」をテーマに手がけた商業施設「グランツリー武蔵小杉」には、子供が裸足で遊べるスペースや屋上庭園があり、大勢の家族連れで賑わう。これも「来る人を喜ばせたい」という相手の喜びを重んじたコンセプトの賜物だ。2児の母である彼女は子育てでもマイルールを貫く。

「育児で私が重視しているのは“私が子供に何をしてあげたいか”よりも、“どうすれば子供が母を誇りに思えるか”。子供が後から振り返った時、『お母さんはどんなに忙しくても毎日幼稚園に送ってくれた』という思いが残れば、“自分は愛されていたんだ”という証しになります。だからどれだけ忙しくても、毎朝の幼稚園への送りは欠かしませんでした」

関連キーワード

関連記事

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン