東京會舘や渋谷ヒカリエのレストランフロアなどのブランディングプロデュースを手がけた柴田さん(撮影/田中智之)

「相手ファースト」を心がける彼女の周りには常に人が集まる。時には社員に厳しい要求を投げかけたとしても、彼女らもまた、柴田さんと同じように、「他人の喜び」を見出すことに全力を尽くすのだ。

 常時20~30本のプロジェクトを同時進行している柴田さんの最終的な目標はシンプルに「いい会社をつくること」。

「当社に宣伝のための営業職がいないのは、目の前の仕事に真摯に取り組めば、“柴田さんたちにやってもらってよかった”と口コミが広がり、次の仕事につながると信じているからです。こんな小さな会社で頑張ってくれる社員のためにも、結果を出し続けて、いつかは“女性集団の働き方の見本”になれたら――」

 柴田さんの目は、まっすぐ前だけを見つめていた。

【Profile】
「柴田陽子事務所」代表取締役 柴田陽子(しばた・ようこ)●1971年12月、神奈川県出身。大学卒業後は、外食産業に入社し、新規業態開発を担当。その後化粧品会社での商品開発などを経験し、2004年に現事務所を設立。「グランツリー武蔵小杉」、「渋谷ヒカリエ レストランフロア」のプロデュース、パレスホテル東京「7料飲施設」、ローソン「Uchi cafe Sweets」のブランディングに携わる。2013年には、アパレルブランド「BORDERS at BALCONY」を立ち上げる。

※女性セブン2019年3月21日号

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