愛馬の優勝レイは壮観
──そこは認めているんですね。
コパ「はい。もちろん馬を見たらわかるという人もいるんでしょうね。ただ、僕は分からない(笑)。これでも馬主を20年近くやって、200頭以上の馬を買っている。でも、わからないんですよ。しょうがないでしょう」
とはいえ、当然ながら、完全な当てずっぽうで馬を買いまくっているわけでもない。自らがライフワークとする風水の実践に重きを置いて、数々の活躍馬を発掘してきた実績がある。
コパ「あえて言えば、僕がわかるのは環境学だけということ。たとえば、この牧場とこの牧場のどっちがいい?と聞かれれば、風水的にこっちの牧場というくらいの。環境の良い方が良い馬が出る確率が高い、と思うので、迷ったらこっちから買う、とかはありますね。
だから、馬を見るよりも牧場を見ています。セリ名簿などは、まずは牧場名から。おかげさまで(馬産地の)日高にはたくさんの知り合いの方がいますので、知らない牧場があれば、どんな牧場かを聞いてだいたいの場所の見当をつけます。
で、『あそこ狭いよね?』とかさらに質問をする。そうすると、『狭く見えるけど、奥は意外と広くって川の近くまであるんだよ』などと教えてもらい、『なるほど、あの川は(風水的に)いいからね』と進んで、馬を買う話が具体的にイメージ出来てくるんです。
その牧場に実際に行くこともあります。その時には、牧場の方と会って話をしてみて。やっぱり、それである程度は分かりますよ。波動ってあるでしょう?これ、誰でもあると思うんです、感じるものが。そういうのをチェックしますね」
──牧場では、どんなアドバイスをされるのですか?
コパ「自分なりの風水を施しています。『ここにお花を飾ったらいいですよ』とか『厩舎を塗り替える時があったらこの色のペンキになさるといいですよ』とか。そういうお話をしています。それで、その牧場の馬たちがいい成績を残していけば、僕の風水の研究にもなりますよね。日高を回って、そこでいい馬が出てきて、『お。俺の風水間違っていないじゃないか』ということも学んでいます。
そんな風水を施した牧場(ヤナガワ牧場)から(コパノ)リッキー、(コパノ)リチャード、それに北島さんのキタサンブラックまでが出たと。そういうことがあって『コパの風水効くのか、面白いよね』と競馬ファンも興味を持ってくれる。大手の馬主さんたちとは違う競馬をやってくれる、と認識されるんじゃないでしょうか」
──そんなこともあって、日高に思い入れが強くなったんですね。
コパ「大好きですから。というのも、社台グループの高い馬が買えないから(笑)。最大の理由と言ってもいいかな(笑)」