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ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は「依存症に要注意」と医師

雨晴クリニック副院長の坪田聡医師

 加齢とともに、寝付きが悪くなったり、夜中に目覚めてしまったりすることが増える。そうしたときに不眠外来やクリニックを受診すると、睡眠薬を処方されるケースは多いが、注意が必要だ。雨晴クリニック副院長の坪田聡医師(精神科)はこう述べる。

「仮に私自身が不眠に悩んでいたとして、第1選択肢としてベンゾジアゼピン系の睡眠薬を使うという判断はしないでしょう。

 この薬には、睡眠時間を長くする、中途覚醒を減らすといった効果がある一方で、飲んだ後に転倒したり、物忘れが激しくなるなどの副作用リスクがあります。とくに代謝が落ちている高齢者の場合は、薬の有効成分が体内に長く残り副作用リスクが大きくなると懸念されます」

 2017年6月の厚労省「第2回高齢者医薬品適正使用検討会」で報告された研究発表では、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬の服用によって60歳以上の高齢者は転倒や認知機能障害などのリスクが高まるというエビデンスが数多く存在すると示された。

 また、坪田氏は「依存性」についても懸念があると指摘する。

「服用を中断しようとすると、服用前より不眠症状が強く現われることがある。また、一度服用し始めると他の薬に替えても効き目が弱く感じてしまうケースもあり、依存性を高める一因になる」

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