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ピエール瀧 逮捕前の葛藤と高まっていた「楽観主義バイアス」

送検されるピエール瀧容疑者(写真/時事通信フォト)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々を心理的に分析する。今回は、麻薬取締法違反などの容疑で逮捕された、音楽家で俳優のピエール瀧容疑者を分析。

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「ピエール瀧容疑者逮捕」という一報を見た瞬間、あれだけ活躍しているのになぜ?と驚いてしまった。「ストレス解消のため」。麻薬取締法違反の疑いで、厚生労働省の関東信越厚生局麻薬取締部、通称“マトリ”に逮捕されたピエール瀧(本名・瀧正則)容疑者は、コカインを使用した理由をそう供述しているという。
 
 瀧容疑者は、音楽ユニット「電気グルーヴ」ではミュージシャンとして人気を博し、醸し出す独特の存在感と個性的な演技から、映画やドラマ、CMへと活躍の場を広げていた。数々の映画賞を受賞するなど俳優としての評価も高く、順風満帆、脂が乗っている時期だった。様々な情報番組から聞こえてくるコメントも、優しく楽しい人、そんな素振りはなかったというものばかりだ。

 多忙なスケジュールの中、プレッシャーやストレスから逃れ、テンションを上げるために、つい手を出してしまったのだろうか。多分使用したのも、ここ数年のことなのだろう。そんな風に思っていたら、「20代のころから大麻やコカインを使っていた」と供述しているというのだから、さらに驚いた。

 長年、使用していたということは、他人が薬物で逮捕されるニュースを見ても、自分が見つかる確率は低い、逮捕されることはない、そう思っていたと考えられる。人は、他人と比べて、自分がネガティブな出来事に遭う確率やマイナスの可能性を低く見積もる傾向がある。そして同時に、ポジティブな出来事やプラスの可能性は高く見積もるという傾向もある。これを「楽観主義バイアス」という。

 楽観主義バイアスのメリットは、前向きに、ポジティブに考えたり期待したりすることで、物事を成功へと導くことができる点だ。だが、楽観視することで、現実を直視できなくなるというデメリットもある。今回の逮捕は、まさに楽観主義バイアスのそうした悪い面が出たといえるだろう。

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