「ブラック企業やブラック職場と見なされるような現場では、往々にして『こんな仕事に意味があるのか』『単なる時間のムダじゃないか』『まったく成果がない』と感じる仕事を強制されていることが多い。つまりは、自分にとって『有意味感』を持てる仕事かどうかが、就職や転職の際のカギになります。
数年前には、リストラ対象の社員を自主退職に追い込むために、ほとんど意味がない単調な作業を繰り返させたり、逆に過重なノルマを課したりした『追い出し部屋』の存在がクローズアップされました。これも、社員の『有意味感』を下げることで、ストレスをかけようとするもので、ブラック職場の一例と言えるでしょう」
その仕事は、心身ともにつらいだけの「ブラック職場」なのか、それとも自分を成長させてくれる場なのか。それを見極めるためのカギとして、「首尾一貫感覚」という視点を活用してみてはどうだろう。
【プロフィール】舟木彩乃(ふなき・あやの)/ストレス・マネジメント研究者。10年以上にわたってカウンセラーとしてのべ8000人以上の相談に対応。現在、筑波大学大学院ヒューマン・ケア科学専攻(3年制博士課程/ストレス・マネジメント領域)に在籍。著書に『「首尾一貫感覚」で心を強くする』。