大阪ダブル選で当選した松井一郎氏と吉村洋文氏(時事通信フォト)
維新はダブル選と同時に行なわれた大阪府議選で過半数の議席を得たものの、大阪市議選は過半数にわずかに足りなかった。
鍵を握るのが公明党の動向だ。市議会では自民党から共産党まで都構想「絶対反対」の立場をとっている。維新が住民投票を実施させるには公明党を抱き込むしかないが、両党には遺恨がある。
これまで維新側は都構想への協力を取り付けるため、過去3回の衆院選で公明党候補がいる選挙区への独自候補擁立を見送り、選挙協力を行なってきた。ところが、公明党大阪府本部は本音では都構想に慎重な立場で、今回のダブル選挙でははっきり反維新に回った。
そこで喧嘩上等の橋下氏は公明党に「倒す」と最後通牒を突きつけ、「都構想に本気で協力するか。それとも衆院選で維新と対決するか」の踏み絵を迫っているのだ。ダブル選で勢いを見せつけた維新に刺客を差し向けられれば、公明党は次の衆院選では関西で“全滅”の可能性もある。
「大阪春の陣」のダブル選に続いて、5~6月の大阪市の定例議会は住民投票を実施するかどうかを決める「大阪夏の陣」になる。
※週刊ポスト2019年4月26日号