「超エリート裁判官として若い頃から要職を歴任」していても、「行政側(国、都等)を負かせ、弱い立場にある国民や都民を勝たせる判決を連発したところ、わかりやすすぎる『左遷人事』」で飛ばされる。
「みせしめ」をつくることで、誰もが国を負けさせるとヤバイとわかり、「司法の出番であるといった事件」でも「タブー視」することに。結果として、政治に好都合な環境を作り出していたのである。
統制と委縮によって、「裁判実務の『智』」の伝承も途絶えているという。まともな判決が書けない裁判官が増え、「裁判所のパソコンの中にある、過去の判決を検索」し、「コピペ」しているのだそうだ。司法は、権力の暴走をチェックする最後の砦のはずが、裁判官の「劣化」で、三権分立の理念は幻想と化しつつある。岡口判事は、だからこそ果敢に発言するのである。
※週刊ポスト2019年4月26日号