大谷(翔平・24)の速球は魅力があるが、バットに当てられるのは、スピードの割に馬力が伴っていないからじゃ。排気量の大きなエンジンがないのに、200kmで走っている自動車みたいなもので、手が先行しているから無理を起こして故障してしまう。
ただボールの速さや変化球のキレ以上にマウンド度胸や闘争心も重要じゃ。バッターに遠慮せず、インコースを厳しく攻める闘争心があるのは、ドジャースの前田(健太・31)。あとはケガで離脱しているが楽天の則本(昂大・28)くらいか。ピッチャーに闘争心がなかったら終わりじゃよ。
ピッチャーだからいい日もあれば悪い日もあったが、ワシはここ一番では絶対に打たれなかった。人の手助けなしで投げ切るようなたくましい投手が、ワシの後継者にふさわしい。
※週刊ポスト2019年5月3・10日号