「ちょっと年が離れると、競わないのでラクだということを知りました。同世代で、とくに同性だと、結婚してるかどうかとか、張り合っちゃうというか……。読書会の仲間は、年が離れていても私は友達だと思っていて、みんなに彼のことを相談するようになったんです。そうしたら協力してくれるようになってきて。今度、飲む場をつくろうと。そこで、はっきりさせよう! とか言ってくれて。友達にとってみれば、私の恋愛相談がいいネタというか、みんなで集まるいい理由になっていたんじゃないかな」
今日子さんと仁志さんがそろった場で、「結婚はいつ頃?」「結婚式にはぜったい呼んでよね!」という会話が自然に飛び交った。「今日子ちゃんを逃すとおまえ結婚できないぞ」と、発破をかけてくれる人もいた。
「そういうのが逆効果というか、彼が嫌がるかもしれないという心配はありましたが……、ただ、50代のおじさんは仕事でも成功していて、彼も尊敬している人だったんです。誰に言われるかで、彼の受け止め方も違ったのかもしれません」
周囲の冷やかしに対して仁志さんは、結婚は「35歳までにと思っています」と、答えるようになっていた。タイミングも味方したのかもしれない。
「男の人って、なかなか結婚を決められないって言うじゃないですか。男性にとって結婚は、夏休みの宿題のようなもの、とか。周囲の後押しがなければ、私たち、いまだに付き合ってるだけだったんじゃないかな」
学生時代の仲間や、会社の同僚との恋愛には少なくない、周囲のアシスト。だが、年を重ねて孤独に婚活をするようになると、そうしたアシストは受けにくくなる。でも大人にだって、時にアシストは必要なのだろう。そういう友人に恵まれるかどうかも含め、縁なのかもしれない。