結婚相談所に登録していたことも、今日子さんに余裕を持たせる一因となっていた。
「男性からのアプローチが多く、自信になりました。それなりにお金がかかる相談所でしたから、このときほど、薬剤師になってよかったと思ったことはありません」
ある時、仁志さんに、どうして飲み会に来ないの? と聞かれた。人付き合いが苦手になった理由があるのだと正直に答えると、聞きたいから今度二人で合わないかと誘われた。付き合うようになるまでに、それほど時間がかからなかった。
◆年の離れた友達たちの“アシスト”があったからこそ
しかし、そこからが長かった。結婚したい今日子さんに対し、仁志さんは仕事や趣味に忙しい。付き合い自体は順調だったが、結婚を切り出せないまま、4年の月日が過ぎて行った。
「結婚、結婚と迫ると、重いと思われるんじゃないか。でも、これ以上待ってはいられない。彼に他に好きな人ができたらおしまいだ、と、いつも揺れていました。そんな頃、読書会を仕切っているおじさん──50代の男性と帰りの電車が一緒になって話しているうちに、二人は付き合ってるんでしょう? と、聞かれたんです。あ、知ってるんだと。だったらと、そこから相談モードに入っていきました」
仁志さんと付き合い始めてからも、飲み会にはあまり参加しない今日子さんだったが、4年通っているうちに、男女含めた仲間ができていた。彼らと、読書会の飲み会とは別に、食事に行く機会を持つようになった。
そして、その多くは、50代のおじさんと同じく、年の離れた人たちだった。