高IQ団体「MENSA」の会員証を見せてくれた

──子供の頃を振り返って“自分は普通の人とは違う”と思ったことはありますか?

「そんなことはないとは思うのですが……。家や学校の近くで拾ったまつぼっくりを集めるような、普通の子供でした。ある時、いつものようにまつぼっくりを拾っていたら“一つひとつ、全て形が違う”ということに気づいたんですね。これは沢山あつめてみて、どんなパターンがあるのか調べてみたいな、全種類集めてみたいな……って思ったんです。そういうことに熱中してしまって、友達と遊ぶより一人でいることのほうが多かった。

 あとは、小学校の頃、図工の授業かなにかで『クジラさんを書きましょう』ってお題が出たときに、友達はみんな海に浮かんで潮を吹いているクジラを描いていたのに、私だけ『宇宙から見たクジラ』を描いていました。真っ暗な宇宙の中に地球があって、そこに点ぐらい小さなクジラを描いて……『大きいイメージがあるクジラも、宇宙から見たらちっぽけなんだよ』って。え、普通の子はそんなことしないんですか?

 でも、だからこそ『のんのんびより』で演じた小学生の女の子・宮内れんげの、こだわりが強い性格とか、大人とはちょっと違った視点をもってる雰囲気というか、そんなものが自然に表現できたのかなと思います」

──最近では、作詞・作曲・編曲・収録などマルチな才能を発揮し活躍の場を広げています。声優ファンの間では「オーディオオタク」としても有名ですね。

「そうなんです! 持っているイヤホンやヘッドホンを全部合わせると30個以上はあると思います。声優になる前からオーディオ機器が好きで、演技の練習にはスタジオにあるのと同じ本格的なマイクを買って、自宅でアフレコの練習をしていました」

──もし声優になっていなかったら、音楽関係の道を歩んでいた?
「どうでしょうか……音楽にも興味はありますけど、医療工学やロボット工学にも興味があるので、そっちの道に進んでいたかもしれません。

 そういえば話は変わりますけど、最近GoogleやAppleがAIを搭載したスピーカーを発売しているじゃないですか? こちらが尋ねたことに淡々と応えてくれる……今は仕事に一生懸命になりたいから恋愛に意識は向かないんですけど、ああいう男性だったら将来おつきあいしてもうまくのやれるんじゃないかなって思うときがあるんです(笑い)。理想は、AI(人工知能)みたいに色んなことをお任せできる人や、自動で音楽のミキシングをしてくれるソフトウェアの『Neutron2』です (笑い)」

──最後に、小岩井さんの夢を教えてください。

「自分でアニメを作ってみたいです! どうしたらいいか具体的にはわからないんですけど、アフレコも、音楽制作も、編集もできることは全部自分でやってみたい。まだ世の中にそういうものは存在しないから、作ってみたい。

 私、才能って掛け算かなって思うんです。一つの分野で世界一のものを持つのは難しくても、『声優ができる』×『作詞作曲ができる』×『音声の編集ができる』って3つの分野を掛け合わせた才能でなら、世界一になれるかもしれない。だからこれからは、今まで以上に仕事の幅を拡げていきたいです。歌に関してもメタルやジャズなどジャンルにこだわらず歌っていきたい。それを声優の仕事に返していければいいなって思います」

◆取材・構成/峯亮佑

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