2月から3月にかけて開かれた予算議会で小池知事は過去最大15兆円の都予算案を上程したが、議場では「与党都議に議場で押されて転倒した」(自民)とか、「委員長の議事運営ファイルを盗まれた」(都民ファ)とかいった政策とは無関係の批判の応酬が目立った。小池予算に賛成の立場であり、また自民党ともかつて連携していた公明党も、これを取り持つ役割を果たしえたようには見えない。

 このため「自民党との関係を改善しなければと危機感を強めた公明党周辺から提案があったのではないか」(前出のジャーナリスト)と見る観測もある。実際村山氏には、公明党の参議院議員として総務庁長官も務めた都庁の先輩、続訓弘氏(88)が副知事だった当時の直属の部下だった経歴もある。こうしたつてを頼りに小池知事に対して人事のアドバイスがあったのではないか、というのである。

 小池知事にとっては、五輪までの1年間に打ち出す政策が、知事選の再選戦略に直結する。五輪後の東京を巡っては、銀座から臨海部に抜ける新地下鉄計画も報じられ、その途中停車駅にあたる築地市場跡地や豊洲エリアなどで再開発をめぐる国や地元区や企業などの思惑も膨らみつつある。

 大プロジェクトを含めた都の長期計画をつくるにあたって都市の基盤整備にも明るい村山氏が、議論の要路に立って、“交通整理”の役割を担う可能性もある。

 筆者は連休明けの7日、火中の栗を拾うに至った動機について問おうと村山氏を自宅前で直撃取材を試みたが、「まだ私は現職(東京信用保証協会)の仕事がありますから、お話しできることはありません」と言葉少なく車に乗り込んだ。

 都議会で迎える自民党の高島都連幹事長にも質問を送ったが、「人事権は知事の裁量権の範囲です」とひとまず静観の構えだ。大物官僚OBの登場によって、小池都政と都議会自民党が健全な緊張関係を紡ぎ出せるか。6月の都議会定例会の動きに注目が集まることになりそうだ。

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