◆筋力の低下をカバーする靴の選び方を要チェック
筋力が衰えた高齢者にとって、靴はとても重要だという。単にゆったりした靴がよいと思われがちだが、実は違う。
「楽に歩くためには前述の通り足裏のアーチを維持することが重要です。アーチの維持にはある程度、筋力が必要で、衰え気味の高齢者には靴が支えになります。具体的には、アーチが崩れて中足骨が扇状に広がってしまわないよう、土踏まずのあたりをしっかり締めるのがポイント。そのため紐や面ファスナーで調整しながら締められる靴がおすすめです」
これは高齢者向けに限らず、足の機能を適切に使って歩く、走るための靴の構造。スポーツシューズは基本的にこの構造で、ランナーのシューズの紐の締め具合で、タイムがよくなることも知られている。
逆にスリッパやサンダルで長時間歩くと疲れるのは、アーチの支えがなく、かかとが固定されないためだ。
「靴に足を入れて、紐や面ファスナーで土踏まずのあたりをしっかり締めたとき、足指に圧迫感がなく、つま先に手の親指幅くらいの余裕があるのが理想的です」
なお足にしびれがある場合は、脳血管疾患をはじめとする病気の兆候の場合もあるのでかかりつけ医などの受診を。
外反母趾は整形外科、巻き爪など爪の異常は皮膚科が担当の診療科だ。西田さんが主宰する日本トータルフットマネジメント協会のHPでも、ケアに関する相談を受け付けている。
※女性セブン2019年5月30日号