◆茶色い砂糖だからといって……
「ショ糖とは、ブドウ糖と果糖(フルクトース)の化合物のことで、ショ糖の中のブドウ糖と果糖は、だいたい1:1です。ブドウ糖は血糖値を急上昇させる危険があり、果糖は中性脂肪を増やし、長期的に摂取を続けていると脂肪肝の原因になります」(團さん)
よほど味や色合いが繊細なお菓子を作る場合でなければ、白砂糖は避け、茶色い砂糖を使った方がいいだろう。
この、茶色い砂糖と聞いて、「三温糖」を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。三温糖の温かな色は、体にもやさしそうなイメージがあるが、成分的にはほぼ白砂糖と変わらない。色がついているのは、液糖を煮詰めてショ糖の結晶を取り出す工程で、加熱によって液糖が茶色になったからだ。茶色いからといって、黒糖やてんさい糖のように栄養素は残っていない。
さらに、三温糖の中には、色のムラを均一にするため、カラメル色素を使って色づけしているものもあるという。
食品ジャーナリストの郡司和夫さんは、カラメル色素の危険性を訴える。
「食品添加物の1つであるカラメル色素は、4種類あるうち、2種類に発がん性物質があるとわかっています。しかし、着色に、どの色素を使っているのかはわかりません。砂糖で糖尿病のリスクを高め、さらに発がん性物質まで摂取していたとあっては、救いようがありません」
安全面においても、黒糖やてんさい糖がいいだろう。
さらに近年、「希少糖」や植物由来の「自然派甘味料」など、新たに注目されている砂糖もある。健康検定協会・管理栄養士の望月理恵子さんはこう解説する。
「自然界での存在量が少ない『希少糖』は、甘いのにカロリーがなく、血圧の安定や活性酸素抑制への働きなど、その機能性に注目が集まっています。『ラカンカ』はウリ科の植物で、果実には砂糖の約400倍の甘みがあるといわれています。ラカンカエキスを使えば、カロリーや血糖値の変動はほぼ気にせず、甘みを感じられます。カリウムやマグネシウムなどミネラル豊富な『ココナッツシュガー』は、低GIなのも魅力です」
いずれも健康面で優れていることは確かだが、一般的な上白糖と比べ、5~8倍もの価格に跳ね上がる。コーヒーや紅茶、ヨーグルトなどにほのかな甘みをつけるなどに使う人が多いようだ。
※女性セブン2019年6月6日号