2009年には広告研究会の部員10人が、日吉キャンパスのある東急東横線日吉駅内を全裸で走り回り、公然わいせつ罪で書類送検されている。
「この問題を受けて、2010年の『ミス慶應』は中止になりました。当時、『ミス慶應は終わり』といわれましたが、2011年には復活した。2016年の事件の後でも同じです。こんなトラブルが繰り返されながらも『ミス慶應』がなくならないのは、ミスコンが“ビジネス”として成り立っているからです」
そう話すのは、ミスコン事情に詳しい芸能評論家の三杉武氏である。
「慶應のような超有名大学のミスコンには、協賛企業がたくさんついて、学生主催のイベントにもかかわらず、多額のカネが集まる。ミス候補者が集うイベントには芸能事務所のスカウト担当やテレビ局の人事担当が集まって、さながらオーディション会場のようです。有望な人材を“青田買い”する格好の場になっているわけですね。
そのため、主催する学生たちは“プチ業界人”のようになり、浮かれた気分になりやすい。大手広告代理店に内定するケースも多く、学生にとっても企業にとってもうまみがあるので、何度中止になっても復活する」(三杉氏)
大人たちからすれば利用価値が高く、介入しやすい。かたや学生にとっては世間から注目され、人脈が培われる上、大きなお金が入ってくる“おいしいイベント”となる。今回の2団体分裂騒動は、そんな“うまみ”に学生が群がった結果なのかもしれない。