「相続税対策で不動産投資を始める方がいますが、素人が焦って手を出し、かえって損失を出すケースが多々あります」
財産が基礎控除の範囲内なのに、聞きかじった知識で必要もない節税対策に走り、失敗するのが最悪のパターンなのだ。
一方で、財産が少なくて相続税は関係がなくても、相続トラブルが起きる可能性はある。司法統計年報によると、全国の家庭裁判所で調停が成立した相続トラブルのうち遺産額1000万円以下が32%、ほぼ相続税のかからない5000万円以下まで含めると75%に達する。
「たとえば親の資産の大半を持ち家が占め、預貯金が少ない場合などは、自宅の処分を巡って子供たちが揉めがちです。財産が少なくてトラブルになるケースは多い。事前に親子で遺し方、分け方を話し合う、『相続対策』は絶対に必要です」
※週刊ポスト2019年6月14日号