あなたはどのタイミングで「働く年金カット」から解放されるか

在職老齢年金による「働き損」の仕組み

在職老齢年金による「働き損」の仕組み

 だがここに来て、そんな高齢者の働き方を一変させるニュースが舞い込んだ。

 政府は6月21日に閣議決定予定の「骨太の方針」(経済財政の運営と改革の基本方針)で在職老齢年金の廃止を打ち出し、自民党も参院選公約に「将来的な廃止を展望しつつ見直す」と盛り込んだ。「年金博士」こと社会保険労務士の北村庄吾氏が語る。

「もともと悪名高い制度だったので、選挙に有利と考えて公約に入れたのでしょう。選挙対策ではあっても、金融庁の報告書問題で年金不信感が高まっているだけに、政府・与党は選挙後に公約を反故(ほご)にはできない。在職老齢年金は廃止の流れと見ていいでしょう」

 廃止までのスケジュールも具体化しつつある。政府は選挙後の年金改革で厚生年金保険法改正案をまとめて来年の通常国会に提出する方針だ。成立すると1年後に施行。早ければ2021年にも在老(年金減額)の制度は廃止される可能性があるという見方が有力だ。

※週刊ポスト2019年6月28日号

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