【図表】発がん性の分類
「以前、輸入牛肉に詳しい農林水産省のOBとスーパーの肉売り場を取材した時、プロである彼も見分けられないと話していました。最近は技術が進んで、本物の肉に限りなく近づいていて、私にもわかりません。
外食時は基本的に値段で見分けてください。破格の牛肉しゃぶしゃぶ食べ放題や格安ステーキなど、常識的に考えてあまりに安すぎる場合は、成形肉を使っている可能性が高い」(郡司さん)
心配なら店に問い合わせるのがいちばんだが、事前にホームページなどで肉の産地を確認する方法もある。
「怪しいと思ったら、中までしっかり火を通すようにしましょう。最も安心できるのは、店で買っても外食でも、生産者の顔がわかるものです」(郡司さん)
値段は高くなるが、作り手の顔が見えるものほど安心であることは事実だ。
◆どうしても食べたい場合は…
今や、私たちの生活に必要不可欠な“食材”の1つになっている加工肉だが、「栄養面から考えると、加工肉を食べる必要はない」と断言するのは、群星沖縄臨床研修センター長で医師の徳田安春さんだ。
「ベーコンやソーセージ、ハムやスパムなどの加工肉は、一概に塩分が多く含まれています。日本人は諸外国に比べて塩分の摂取量が多いとされ、健康な成人が目標とする食塩の摂取量は、男性が8g未満、女性が7g未満ですが、実際は10g以上摂取しています。塩分の摂りすぎは心臓病や脳卒中のリスクを高めます」
赤肉も積極的に食べる必要はないという。群星沖縄臨床研修センター長で医師の徳田安春さんはこう言う。
「よく、肉にはたんぱく質が含まれるといいますが、たんぱく質は大豆や卵にも入っています。魚や野菜を中心とした和食を食べていれば、赤肉を摂らなくても栄養が不足することはありません。
もし加工肉や赤肉を食べすぎてしまった時は、しばらく食べないように気をつけた方がいい。“野菜を一緒に食べれば大丈夫”なんてことはありません。どうしても肉を食べたいのなら、1日置きに1食だけ食べるなど、食べすぎない工夫をしてください」
つまり、食べすぎず、適量を守ることが何より重要である。垣田さんが言う。
「健康リスクが指摘されている食品は、できるだけ避けるべきです。最近は、添加物を使わずに作られている加工食品もありますから、より健康にいいものを子供や家族に食べさせたいし、自分も食べたいという感覚を忘れないでほしい」
私たちの体は、食べたものでできている。そんな当たり前のことを、今こそ考え直したい。
※女性セブン2019年7月4日号