イオンの売り場には、近大発ナマズから、サケや豚ばら肉の蒲焼まで8アイテムが並ぶ
代替品市場がにぎわう一方で注目を集めているのが、エサや飼育環境にこだわる国産ブランドの養殖鰻。なかでも取り扱う店舗が少なく、“幻の鰻”と人気になっているが、千葉の「うなぎ坂東(ばんどう)太郎」と静岡の「共水(きょうすい)うなぎ」だ。
坂東太郎を扱う店は全国でわずか20軒ほど。10年以上かけて坂東太郎を開発した卸問屋「忠平」の代表・高安道征氏は、「こだわりは“飼料”」と話す。
「一般的にはイワシなど青魚中心の“ブラウンミール”を使いますが、白身魚に生アジを練り込んだ当社独自の“ホワイトミール”を与えています。温度や水質の管理も徹底し、自然な環境で養殖することで、身のきめが細かく、旨みのある鰻が育つ。坂東太郎は利根川の別名。日本一とも言われる利根川の天然鰻に近づけています」
日本人がこよなく愛する鰻であるがゆえ、知恵と工夫で様々な取り組みが進む。
鰻のエサがコストの大部分を占めるので、どうしても高級になってしまうという
衛生管理され、自然に近い環境で育つ
●取材・文/戸田梨恵
※週刊ポスト2019年7月12日号