◆女性ホルモンが口臭を悪化させる
一方の生理的口臭は、朝起きた時にする口臭などを指すが、ホルモンバランスや加齢による身体的コンディションにも起因する。
「特に女性は、ホルモンバランスの関係で歯周病になりやすいというリスク期が、一生のうちに3度あります。
最初が思春期の初潮の頃で、月経のたびにエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンが歯茎の隙間から分泌され、歯周病菌の発育を促進して、前述のメチルメルカプタンを増やすのです」
こうしたメカニズムが要因となり、生理前に歯茎が腫れやすくなるという女性も少なくない。
「2度めのリスクが妊娠や出産期で、妊娠性歯肉炎などホルモンに起因した炎症が起こります。3度めが更年期で、歯周組織が弱って唾液の分泌量が減ってくると、食べかすが歯と歯の間にたまりやすくなり、歯周病にかかりやすくなるのです」
実際に、20~60代の男女214人を対象にした口臭測定によると、周囲の人が気になる口臭レベルをマークした人の割合は、男性の若年層(20~30代)に比べ、女性の中高齢層(40~60代)の方が3倍以上多いという結果が出ている。
こうした女性ならではのホルモンバランスの変化を男性も理解し、家事分担をするなどサポートすることが、女性の心身ともにストレスを軽減し、歯周病や口臭リスクを減らす一助になると若林さんは提言している。
※女性セブン2019年7月18日号