──「今回の経験を個人の成長につなげればいい」という論が多く見られます。
東京オリンピック世代の若い選手には、普段より高いレベルでの試合が大きな刺激になったと思います。杉岡(大暉)や岩田(智輝)、三好なんかは所属チームで出場時間がたくさんありますが、普段とは全く違う状況で感じたものを成長に繋げてほしいです。
ただ、経験したから単純に良くなるわけでもありません。例えば、オリンピックに出た選手がその後全員フル代表に定着したかというと、意外と少ない。また逆に、出られなかった選手が悔しくて成長することもあります。大迫(勇也)とか原口(元気)などはロンドンオリンピックに落選したのが悔しくて成長した選手だと思います。
コパ・アメリカが成功だったかどうかは、選手の今後のレベルアップから判断すべきです。活躍した選手だけでなく、今回選ばれたけど活躍できなかった選手や、選ばれなかった選手まで含めて、今後もチェックしていくことが日本代表の強化に繋がるのではないでしょうか。
【プロフィール】らいかーると/1982年、浦和出身。とあるサッカーチームの監督。サッカー戦術分析ブログ『サッカーの面白い戦術分析を心がけます』主宰。海外サッカー、Jリーグ、日本代表戦など幅広い試合を取り上げ、ユニークな語り口で試合を分析する人気ブロガー。サッカーライターとは違う「戦術クラスタ」の最古参であり、「footballista」や「Goal.com」などに寄稿多数。発売中の『アナリシス・アイ サッカーの面白い戦術分析の方法、教えます』が初の著書となる。Twitter:@qwertyuiiopasd ブログ:http://building-up.com/