◆大迫以外のフォワード探し
──フォワードは上田綺世が大学在学中にA代表デビューして話題になりました。
上田はいきなりスタメンでチリ戦に出て、かなり酷な状況でした。ただ動き出しなどはさすがで、“あとは決めるだけ”という場面を数多く作っていました。
──A代表のフォワードでは、大迫勇也の控えが誰になるかが注目されています。
鈴木武蔵や永井謙佑など、スピードのある選手のほうが多く呼ばれています。大迫ほどボールが収まる選手がいない時は、フォワードは裏に走らせて2列目の選手にスペースを与えるという森保監督の狙いが読み取れます。
──フォワードは必ずしもポストプレーが必要なわけではない?
チームでボールを持てるのなら、1トップは裏に走ってセンターバックを引きつけるだけでも相手は嫌がります。今回大活躍していた岡崎(慎司)は、どちらかと言えば大迫の代役扱いでしょう。ボールを持って相手を押し込んで、裏に走るスペースがない時は大迫や岡崎。逆に相手に押し込まれた時は鈴木、永井、前田大然などスピードのある選手を起用するのがベターかと思います。
◆「マネジメント力」という課題
──久保をはじめ、GKの大迫(敬介)、MFの安部(裕葵)といったU-20の世代も招集されました。
安部の扱いは少しかわいそうでした。彼はテクニシャンですが、周りに気を遣って一生懸命守備をしていたので。1戦目は途中交代で出てきて流れを変えましたが、2戦目は守備で奔走し、3戦目は10分だけ出場。これならU-20ワールドカップに行かせたほうが(注:コパ・アメリカの直前に行われたので上記3人は不参加)良かったのではないでしょうか。
──大迫も1戦目以外はベンチでした。
率直に言って、川島(永嗣)でなく大迫が出るべきだったのではないでしょうか。1戦目も大迫はそれほど悪くなかったですし。
──大迫以外も、1戦目と2・3戦目ではメンバーが大きく代わりました。
チームの連携不足は明らかだったので、1戦目はもったいなかったと思います。ぶっつけ本番ではなく、大会前の親善試合も同じメンバーで戦うべきでした。オリンピック代表が今までやってきた3バックを使わず、2戦目以降スタメンを大きく変えたことを考えると、オリンピック代表の強化と割り切らずに勝ちに行っている森保監督の意思が感じられました。