中野:あのね、この本を読んでいる人全員に実感してほしいんですけど、今この瞬間があなたのこれから先の人生においては一番若いんですよ。だから、「私なんてもう若くはないから」という考え方で何かを諦めることはしないでほしいと思う。
スー:おっしゃる通り。すべての人類は今日が一番若い。そして明日になると一日分、年を取る。その刻一刻と目減りしていく貴重な若さという資源を、自分以外の誰かに値づけさせていいの? って話だな。じゃあおばさんが損かというと、そんなことはまったくないんだよね。日々の出来事に新鮮味はなくなるけれど、あらゆる物事の工程をうまいことはしょれるようになるから。目の前のタスクに効率よく、楽に向き合えるようになる。そういう意味ではおばさんってすっごい得だなと思うわ。
中野:20代のときはステージ1をクリアするのに1週間ぐらいかかったけど、40代になったら1時間でクリアできた、みたいな感じになるよね。時間と経験がある意味トレードオフされるから。だからどんな場面でも「得していたい」と考える人は、自分の中の評価軸を柔軟に変えていくといいと思う。
撮影/藤岡雅樹