「賞味期限は、各メーカーが『理化学試験』『微生物試験』『官能試験』の3つを行って決定します。『理化学試験』では、食品の粘りや濁り、pH値(酸性かアルカリ性かを測定する値)や酸化状態などを測定し、『微生物試験』では、菌の数を調べます。『官能試験』は、色やにおい、食感といった五感に訴える部分を調べます。
その3つの検査をしたうえで、たとえば30日間は問題ないとわかっていても、さらに安全性を高めるため、7~8割に短くした賞味期限を出します。つまり、30日安全な商品でも、賞味期限は21~24日程度になる。コンビニのおにぎりなどは、5~6割と、かなり短く設定されています」
そうとわかれば、多少、賞味期限が延長されたり、表示方法が変わったりしたことで、不安になる必要はない。しかし一方で、食品ロスをなくすために賞味期限を長くすることに疑問を訴える声もある。食品ジャーナリストの郡司和夫さんは、「賞味期限は短くていい」と話す。
「近くでとれた食材を近くで販売することが、食べ物のあるべき形です。食品が腐らず“長持ち”することが、そもそもおかしい」
賞味期限は安全の保障である一方で、食品業界のズルさを隠す危険も含んでいるというのだ。
◆「保存料は使っていません」の危険性
売り文句として、あらゆる食品で見かけるようになった「保存料は使っていません」の一言。
実際、「保存料」として過去に使われていた添加物の中には、高い発がん性が確認され、使用禁止となっているものも多く、「保存料不使用の方が体にいい」と考えている人もいるのではないだろうか。
しかし、保存料の代わりに使われている「添加物」が、健康に悪影響を与えていると郡司さんが指摘する。
「最近は保存料や防腐剤に代わって、『pH調整剤』という添加物が使われることが増えました。pH調整剤は保存料のように、細菌など微生物の細胞膜を破壊したり、変質させるのではなく、食品のpHを中性に保つことで腐敗菌などの増殖を抑え、保存効果を高めることができます」
しかし問題は、あまりにも多くの食品に多量に使われすぎていることだ。たとえば、コンビニのおにぎりや弁当では使われていない商品を見つけることが難しいほどだ。