「pH調整剤は特定の物質を指すのではなく、グリシン、クエン酸、フマル酸、リン酸など複数の添加物を使って作られており、あらゆる雑菌の増殖を防ぎます。よって、pH調整剤を摂りすぎることで、体内にいる善玉菌に対しても同じ作用を起こし、それらの活動を阻害しないとは言い切れないのです」(郡司さん)
なかでも、風味や色合いを維持する「リン酸」は、骨粗しょう症につながる危険性が指摘されている。リン酸はpH調整剤だけでなく、「調味料(アミノ酸等)」の「等」に含まれることもある。“リン酸隠し”は巧みに行われているが、個別で表示する義務がないため消費者にはわからない。
そのほか、長期保存を目的に使われている添加物で代表的なのは、野菜ジュースなどにも入っている「ビタミンC」だ。「ビタミンCは健康にいいから入っている」というのは誤解で、本当の目的は賞味期限を長くするため。
生の野菜が日持ちしないのに比べ、野菜ジュースが数か月から、長いものでは2年ほども日持ちするのは、高温殺菌による保存以上に、添加物による効果が大きいのだ。
「野菜ジュースなどには、酸化防止剤として『アスコルビン酸』という合成のビタミンCが入っています。それは天然のビタミンCとはまったく別物で、生活習慣病の原因となる活性酸素を発生させます」(郡司さん)
添加物のリスクを心配せず野菜ジュースを選ぶなら、「トマトジュース」がおすすめだと徳江さんが言う。
「トマトジュースはもともとpH値が低く微生物が繁殖しにくいため、酸化防止剤が使われていることが少ない。酸味の強い食品は、添加物を使わなくても長持ちするものが多いのです」
商品を選ぶ時は、賞味期限の表示とともに、添加物の有無を忘れずチェックしたい。
※女性セブン2019年7月25日号