離島から家出をしてきた高校生の森嶋帆高(C)2019「天気の子」製作委員会

荒木:新海さんと最初にお会いした時、「コリオリ力」(地球の自転が気象に影響すること)や「スーパーセル」(巨大な積乱雲)といった専門的な気象用語がたくさん出てきて驚きました。本当によく気象のことを勉強されていて、気象予報士より詳しいんじゃないかと思ったほどです。

新海:いやいや、そんなことはないですよ(笑い)。荒木さんの本で多くのことを学びました。本作は多くの人に見てもらう映画になるだろうから、フィクションを描くとはいえ、科学的な整合性にはこだわりたかった。その面で荒木さんにはずいぶんお力をお借りしました。

荒木:それにしても、まさか本人役で出演するとは思いませんでした(苦笑)。

新海:(主人公の)帆高が天気の研究者を取材するシーンですね。実際に荒木さんをモデルにしていたので、一応正式にオファーをいたしまして…あれ、お伺いしましたっけ?

荒木:いや、私はビデオコンテを見て、「あれっ、出てる!?」とびっくりしました。

新海:失礼しました(笑い)。荒木さんが登場する場面ではきちんとプレートに『荒木研究官』と名前が入っているので、映画を見る人はぜひ探してみてください。

【プロフィール】
◆新海誠(しんかい・まこと)/1973年2月9日生まれ、46才。長野県出身。2002年、監督・脚本・美術・編集などの制作作業をほぼ1人で行った短編アニメーション『ほしのこえ』で鮮烈なデビューを果たし、数々の賞を受賞した。その後もきめ細やかな映像美とセンチメンタルな脚本で観客の心を打つオリジナル作品を次々と発表。2016年に公開された『君の名は。』は記録的な大ヒットとなり、『千と千尋の神隠し』(2001年)に次ぐ邦画歴代2位の興行収入を記録した。

◆荒木健太郎(あらき・けんたろう)/1984年11月30日生まれ、34才。茨城県出身。雲研究者。気象庁気象研究所研究官。学術博士。慶應義塾大学経済学部を経て気象庁気象大学校卒業。地方気象台で予報・観測業務に従事した後、現職。防災・減災に貢献することを目指して、豪雨・豪雪・竜巻などの激しい大気現象をもたらす雲の仕組み、雲の物理学の研究に取り組んでいる。著書に『雲の中では何が起こっているのか』(ベレ出版)、『雲を愛する技術』(光文社新書)、『世界でいちばん素敵な雲の教室』(三才ブックス)などがある。

※女性セブン2019年8月8日号

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