すぐに部屋を散らかす子供にイライラ、見て見ぬふりの夫にムカムカ。些細なことで、1日に何度もやってくる“怒り”の波。こんな毎日を繰り返していれば、いつか大爆発を起こして険悪になりそう。
しかし、怒りに任せて怒鳴っても事態は悪化するだけ…。夫に対して、言ってはいけないNGワードをおさえて、「男性」の特性を理解した上で接することで好転することも大いにある。
男女のコミュニケーション問題に精通する心理カウンセラーの五百田達成(いおたたつなり)さんが話す。
「男は基本的に察しが悪いので、1を言って10まで理解することはあり得ません。たとえて言うなら、男は『入ったばかりで使えないくせにプライドだけは高いアルバイト』くらいに考えて接するといい。察しが悪くモチベーションが低い上にプライドだけは高いので、こっちが真面目にムキになるだけ馬鹿らしいのです」
面倒だが、夫には1から10まですべて細かくかみ砕いて指示する方が結果的に早い。その結果できていない点があっても、「なんでやってないの?」と言いたい気持ちをグッと抑え、「ありがとう、さすが!」とプライドをくすぐる言い方を心掛けるとよいと五百田さんは続ける。
とはいえ、これらの方法を使っても、ついカッとなってしまうこともあるだろう。そんな時に役立つのが「6秒ルール」だ。日本アンガーマネジメント協会代表理事の安藤俊介さんが話す。
「怒りという感情は、実はいたって反射的なもの。カッとなった時はひとまず6秒待つと、理性的になれることがわかっています。いわば感情にハイジャックされた状態では何も言わない、何もしないことが賢明です」
安藤さんは続ける。
「カッとなりそうな時は、心に三重の層になった丸を思い浮かべてください。いちばん中心にあるのは、『許せる』範囲、その周りにある真ん中の丸は『まあ許せる』範囲、いちばん外側の丸は『許せない』範囲。こうして怒りの基準を設けて、自分が本当に許せないことにだけ怒ることにするのです。そうすれば、無駄に怒ることもなくなります」
怒った時の対処法、争いにならない話し方を心得ておけば、無用なストレスから解放される。今日から始めて、今年こそは心穏やかな夏休みを送りたい。
※女性セブン2019年8月15日号