膨れあがった与党は脆い。かつて小泉純一郎首相は郵政解散(2005年)で約300議席という大勝利を得て郵政三事業の民営化を実現した後、“燃え尽き症候群”で退陣。
後継の第1次安倍内閣は巨大与党を引き継ぎながら年金問題で批判を浴びてわずか1年で総辞職し、自民党は次の総選挙(2009年)で一挙に200議席近く減らして政権を失った。
「政治家は使い捨てにされる覚悟を持たなければならない」とは、その小泉氏の名言だが、安倍首相が11月解散で圧勝して憲法改正の道に進んだ後、残された巨大与党の議員たちは、“一将功なりて万骨枯る”の使い捨てにされる運命にあるのかもしれない。
※週刊ポスト2019年8月16・23日号