NHKから国民を守る党一覧

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都知事選 売名目的で出馬する「泡沫候補」が増えた背景
都知事選 売名目的で出馬する「泡沫候補」が増えた背景
 7月5日投開票の東京都知事選は、小池百合子氏(67)の“圧勝再選ムード”でつまらない──そう決めつけていないだろうか。実は、新聞やテレビが「主要5候補」としか報じない裏では、史上最多となる22人が名乗りをあげている。その“あまりに個性的な選挙活動”に、ノンフィクションライターの柳川悠二氏が密着した。(文中敬称略) * * * 令和2年の都知事選には、過去最多となる22人が立候補している。現職の小池に、野党3党の支援を受ける元日弁連会長・宇都宮健児(73)、れいわ新撰組代表の山本太郎(45)、元熊本県副知事の小野泰輔(46)にホリエモン新党公認の立花孝志(52・NHKから国民を守る党党首)を加えた5人が大手メディアが「主要候補」とする候補者だ。 一方、国政選挙や大都市の首長選挙の無名候補者は大手メディアから「泡沫候補」と扱われ、活動が紹介されることは限定的だ。 今回も“へそくり”から供託金やポスター代を用立てた薬剤師の長澤育弘(34)や、自身が立ち上げた国民主権党党首にしてユーチューバーの平塚正幸(38)、2016年の都知事選・政見放送で“放送禁止ワード”を連呼して一部に鮮烈な印象を残した後藤輝樹(37)、政治団体「スーパークレイジー君」代表の西本誠(33)などが立候補している。 こうした無名の候補が注目されるようになったのは、この10年ほどだろう。 各地の選挙に出馬した羽柴秀吉こと三上誠三氏は2015年に死去し、コスプレでスマイルダンスを踊る泡沫候補の代表格、マック赤坂は港区議となったことで“表舞台”から姿を消した。思い返すと、羽柴もマックも、どこか哀愁が漂い、その挙動には可愛げが、愛くるしさがあった。 だが、今回の取材では、明らかな変質が感じられた。30代の若い候補者が多く、そして、多くがYouTubeにチャンネルを持っていた。自身も出馬した立花氏はこんな見立てを披露する。「政見放送がYouTubeなり、SNSに誘導するためのツールとなる。たった300万円の供託金で、NHKで6分の政見放送が2回、民放でも1回放送してくれる。安く見積もって1億円近い宣伝効果。だから売名や商売、布教目的で出馬する人が増えるんです」 とりわけ今回の都知事選では、多くの候補者に当選以外の魂胆が色濃く窺えた。“泡沫候補”が一種のステータスになってはいまいか。令和最初の都知事選に、改めてそう考えさせられた。【都知事選の候補者一覧(届け出順。敬称、肩書き、所属政党は略)】山本太郎、小池百合子、七海ひろこ、宇都宮健児、桜井誠、込山洋、小野泰輔、竹本秀之、西本誠、関口安弘、押越清悦、服部修、立花孝志、斉藤健一郎、後藤輝樹、沢しおん、市川浩司、石井均、長澤育弘、牛尾和恵、平塚正幸、内藤久遠※週刊ポスト2020年7月10・17日号
2020.07.03 07:00
週刊ポスト
後藤輝樹氏は政見放送が話題になったことも
スーパークレイジー君・西本誠氏がN国・立花孝志氏の激励に涙
 7月5日投開票の東京都知事選は、小池百合子氏の“圧勝再選ムード”でつまらない──そう決めつけていないだろうか。実は、新聞やテレビが「主要5候補」としか報じない裏では、史上最多となる22人が名乗りをあげている。その“あまりに個性的な選挙活動”に、ノンフィクションライターの柳川悠二氏が密着した。(文中敬称略) 令和2年の都知事選には、過去最多となる22人が立候補している。現職の小池に、野党3党の支援を受ける元日弁連会長・宇都宮健児(73)、れいわ新撰組代表の山本太郎(45)、元熊本県副知事の小野泰輔(46)にこの立花を加えた5人が大手メディアが「主要候補」とする候補者だ。 その他、国政選挙や大都市の首長選挙の無名候補者は大手メディアから「泡沫候補」と扱われ、活動が紹介されることは限定的だ。 2016年の都知事選において、NHKの政見放送で“放送禁止ワード”を連呼し、一部に鮮烈な印象を残した後藤輝樹(37)は今回も出馬した。個人演説会の参加者は9人(うち5人が取材目的)。 麦わら帽子姿の後藤が会場に現れると、エキセントリックな印象はなく、今年に入って一日で体得したという“レイキ(霊気)ヒーリング”を希望者に施していく。前回の政見放送の意図を尋ねた。「発言を注目してもらいたいから。(家族が観たらどう思うか?)気にしたらやってられませんよ。僕の職業は後藤輝樹。108の職種があります」 つまりは煩悩のまま生きているということか。 選挙カーに改造したベンツ・Sクラスから「アンパンマンマーチ」を大爆音で流していたのが、政治団体「スーパークレイジー君」代表の西本誠(33)だ。 金髪を「七三」にわけた彼は、白の特攻服に身を包んで入れ墨を隠していた。逮捕歴があることに加え、8人兄弟はみな腹違いだと西本は打ち明けた。 宮崎出身だという彼の選挙ポスターには、「どげんかせんといかん」と、一世を風靡した先人のキャッチフレーズが。そして、「(投票に無関心の)600万人の代表が僕です」と訴えかけていた。 同じ日に池袋駅東口で演説していた立花孝志(52、NHKから国民を守る党党首)が西本の言葉に共感して演説に加わり、思わぬ激励に西本が涙する場面も生まれた。【都知事選の候補者一覧(届け出順。敬称、肩書き、所属政党は略)】山本太郎、小池百合子、七海ひろこ、宇都宮健児、桜井誠、込山洋、小野泰輔、竹本秀之、西本誠、関口安弘、押越清悦、服部修、立花孝志、斉藤健一郎、後藤輝樹、沢しおん、市川浩司、石井均、長澤育弘、牛尾和恵、平塚正幸、内藤久遠※週刊ポスト2020年7月10・17日号
2020.07.02 07:00
週刊ポスト
YouTuberの平塚正幸氏も都知事選に参戦
都知事選候補たち コロナに対する「ただの風邪」等主張の真意
 7月5日投開票の東京都知事選は、小池百合子氏の“圧勝再選ムード”でつまらない──そう決めつけていないだろうか。実は、新聞やテレビが「主要5候補」としか報じない裏では、史上最多となる22人が名乗りをあげている。その“あまりに個性的な選挙活動”に、ノンフィクションライターの柳川悠二氏が密着した。(文中敬称略) 令和2年の都知事選には、過去最多となる22人が立候補している。現職の小池に、野党3党の支援を受ける元日弁連会長・宇都宮健児(73)、れいわ新撰組代表の山本太郎(45)、元熊本県副知事の小野泰輔(46)に、ホリエモン新党公認でNHKから国民を守る党党首の立花孝志(52)を加えた5人が大手メディアが「主要候補」とする候補者だ。 候補者の中でも、とりわけシュールな選挙戦を展開するのが、自身が立ち上げた国民主権党党首にしてユーチューバーの平塚正幸(38)だ。 選挙戦最初の土曜日、人出が増えた新宿南口に平塚の選挙カーは現れた。事前に録音した「新型コロナウイルスはただの風邪です」という主張を、到着からおよそ1時間弱、延々と流し続けた。 平塚の陣営が誰もマスクをせず、「ただの風邪」と言い切っていることに、「そんなわけないだろう」と反発する聴衆もいた。そして、わざわざ車の前に来て両手を広げ、首を横に振る外国人の姿も。 カオスに陥った新宿駅南口を、当の本人は2階テラスから見下ろし、撮影した動画をさっそくツイッターにアップロードしていた。いつまで経っても演説が始まらないため、じれた私は車内に戻った平塚を直撃した。「(新型コロナは)季節性のインフルエンザと比べても感染者数は少ない。嘘を流すメディアこそ病原体です。新型コロナウイルスで死んだ人は知り合いにいないし、亡くなった方の平均は75歳ですよね。申し訳ないけど、もともと死に近かった人しか亡くなっていない」 平塚の最後の言葉に、背筋がゾッとした。「この様子をYouTubeで流していいですか?」と逆質問をしてきた。選挙活動につながるなら何でもありである。 4年前の都知事選で立花孝志を上回る11万票以上を獲得した日本第一党党首の桜井誠(48)だが、国政政党の推薦等はなく、“主要候補”とは扱われない。 コロナ問題で中国からの入国規制など水際対策の遅れの責任を巡って、「小池百合子はまず都民に謝罪すべき。安倍晋三にも同じことが言いたい」と主張する。「武漢肺炎対策」として街頭演説を一切中止。ウェブ上の演説で「公平に取り上げない既存メディアに期待はしない」などの主張を続ける。【都知事選の候補者一覧(届け出順。敬称、肩書き、所属政党は略)】山本太郎、小池百合子、七海ひろこ、宇都宮健児、桜井誠、込山洋、小野泰輔、竹本秀之、西本誠、関口安弘、押越清悦、服部修、立花孝志、斉藤健一郎、後藤輝樹、沢しおん、市川浩司、石井均、長澤育弘、牛尾和恵、平塚正幸、内藤久遠※週刊ポスト2020年7月10・17日号
2020.07.01 07:00
週刊ポスト
都知事選候補 立花氏は「私の当選ない」、込山氏は元妻に借金
都知事選候補 立花氏は「私の当選ない」、込山氏は元妻に借金
 7月5日投開票の東京都知事選は、小池百合子氏の“圧勝再選ムード”でつまらない──そう決めつけていないだろうか。実は、新聞やテレビが「主要5候補」としか報じない裏では、史上最多となる22人が名乗りをあげている。その“あまりに個性的な選挙活動”に、ノンフィクションライターの柳川悠二氏が密着した。(文中敬称略)◆「私の当選はない」 ムンムンとする梅雨空の下、スーツにネクタイ姿で、なんとも暑苦しい東京都知事選を展開する候補者がいた。ホリエモン新党公認の立花孝志(52、NHKから国民を守る党党首)だ。池袋駅の東口に巨大選挙カーを横付けし、声を張り上げ続けた。「(環境大臣時代の2005年に)クールビズを提唱した小池(百合子)さんに対抗するために、私はスーツにネクタイで戦います! 『ウィズコロナ』も私は(小池より早い)4月の段階から提唱していた。小池さんはもう67歳。コロナとウィズしたら重症化してしまいます。引退してもらうしかない」 令和2年の都知事選には、過去最多となる22人が立候補している。現職の小池に、野党3党の支援を受ける元日弁連会長・宇都宮健児(73)、れいわ新撰組代表の山本太郎(45)、元熊本県副知事の小野泰輔(46)にこの立花を加えた5人が大手メディアが「主要候補」とする候補者だ。 立花は「(自身の)当選はない」と断言した。「今回はホリエモン新党の認知度を高めコアな支持者を作るのが目的です」 国政選挙や大都市の首長選挙の無名候補者は大手メディアから「泡沫候補」と扱われ、活動が紹介されることは限定的だ。立花は「N国」を立ち上げ、昨年の参院選(比例区)で当選した。わずか3か月で辞職したが、扱いは“主要候補”に格上げとなった。 泡沫候補といえば、コスプレでスマイルダンスを踊る選挙活動のマック赤坂が代表格だ。都知事選に出馬すること、実に4回。だが、マックは2019年に港区議選に当選したため都知事選は“2007年以来の不出馬”となった。 その後継者として今回の選挙に出馬したのが込山洋(46)だ。師匠と違い、いたって“正統派”の選挙戦を展開、3日目には早くも声が枯れていた。「世の中を変えるきっかけを作りたいんです。すべての都民を平等に愛することができる人間がトップに立つ器だと思う」 都知事選の供託金は300万円(有効投票総数の10分の1を得られなければ没収)。それを用意するのが出馬への第一歩だ。 込山はもともと九州で探偵や飲食店コンサルティングをしていたが、事業が傾き一家離散。妻とは離婚し、単身で上京して渋谷・ハチ公前の喫煙所の掃除をしていたところ、マックから運転手にスカウトされた。マックを「命の恩人」という。「今回の出馬にあたってマックさんからは『金は出さない。自分でやれ』と言われています。だからスマイル党公認ではなく、推薦に……。供託金は、元妻に150万円を借りて準備しました。『これ以上、巻き込まないで』と言われています」【都知事選の候補者一覧(届け出順。敬称、肩書き、所属政党は略)】山本太郎、小池百合子、七海ひろこ、宇都宮健児、桜井誠、込山洋、小野泰輔、竹本秀之、西本誠、関口安弘、押越清悦、服部修、立花孝志、斉藤健一郎、後藤輝樹、沢しおん、市川浩司、石井均、長澤育弘、牛尾和恵、平塚正幸、内藤久遠※週刊ポスト2020年7月10・17日号
2020.06.30 07:00
週刊ポスト
安倍シンパにも変化が…(時事通信フォト)
コロナ対応で決定的に ネット民の「安倍離れ」が進んでいる
 報道各社の世論調査で「安倍内閣の支持率」が軒並み低下している。小中高校の全国一斉休校要請など場当たり的な新型コロナウイルス対策や桜を見る会問題に有権者が厳しい目を向けるなか、じわりと浸透しているのが「ネット保守層の安倍離れ」だ。「ネット選挙解禁から7年間にわたってネット保守層をウォッチしてきましたが、これほど安倍政権への失望が際立つようになったのは初めてです。森友問題でも加計問題でも安倍首相を擁護してきた人たちの離反が続いています」 そう指摘するのは、言論サイト「アゴラ」編集長の新田哲史氏。ネットを中心に保守的な意見を表明して安倍首相を応援する「ネット保守層」は現政権の強力な支持母体のひとつとされるが、最近は安倍離反の動きが見られるという。目下、新型コロナ対策で“安倍離れ”が顕著になっているが、その兆候は昨年から出ていたようだ。「昨年からネット保守層は、香港やウイグルなどで市民への圧政が取り沙汰されている中国の習近平国家主席を今年4月に国賓招待することに反対していました。また“反緊縮財政”をモットーにするネット保守層は、大規模な財政出動と反消費税を掲げる藤井聡・京都大学教授が2018年末に内閣官房参与を退任したことにも強い不満を抱いていた。そうした下地があったところに『あの事件』が起きたのです」(新田氏) ターニングポイントとなった「あの事件」とは、昨年10月の臨時国会で、国民民主党の森ゆうこ参議院議員が、同年6月に毎日新聞が報じた内容をもとに、政府の国家戦略特区ワーキンググループ座長代理の原英史氏について、「国家公務員だったら、あっせん利得、収賄で刑罰を受ける」と発言したことに端を発する。 森議員が取り上げた毎日新聞の記事は、原氏が特区提案者から金銭を受け取ったと読み取れる内容だったが、森議員が国会で取り上げた時点ですでに原氏はこれを事実無根として毎日新聞社を提訴していた(現在も係争中)。 原氏は森議員に対しても謝罪と訂正を求めたが聞き入れられなかったため、12月2日、山東昭子参院議長に森議員の懲罰を求める請願を提出した。しかし、議院運営委員会の理事会で「保留」になり、本会議で審議すらされなかったのである。 大手メディアで報じられることのほとんどなかったこの出来事が、多くのネット保守層を失望させたと新田氏は指摘する。「何より問題は、自民党が請願に賛成せず保留に回ったことです。安倍さんがその気になれば賛成できたはずなのに、自民党は請願を握りつぶした。しかも原さんは安倍首相が主張する規制改革を引っ張ってきたキーマンです。功労者の人権を蔑ろにするような安倍首相のふるまいに多くのネット保守は憤り、改革への本気度を疑うようになりました」(新田氏) 実際に新田氏にはネット保守層から、〈安倍総理及び自民党議員は、この問題を過小評価していると大きな間違いを起こす〉といったリプライが多数送られた。「森議員や野党に対する怒り以上に、安倍首相と自民党への不信感が目立ちました。霞が関の働き方改革の頓挫や大学入試改革の中止なども重なり、何も決められない政治に愛想をつかし始める保守層も現れた。一部の動きではありますが、不満を持つ人のなかには、より先鋭的な政策を掲げる『NHKから国民を守る党』や『れいわ新選組』を支持する者も出てきました」(新田氏) こうして支持層の不満がぐつぐつと煮えたぎるなか、今年に入っても安倍政権の失策はとまらなかった。 自民党の河井克行・杏里夫妻に常識外れの選挙資金1億5000万円を提供しながら選挙違反疑惑を追及せず、厚労省の大坪寛子審議官と“不倫コネクティング出張”をした和泉洋人首相補佐官の責任も問わない。これまでには考えられない杜撰な対応にネット保守層は安倍首相の変質を感じ取り、現政権への失望を隠さなくなった。 それに拍車をかけているのが、政府の新型コロナウイルス対策への不信だ。たとえば、2月26日の衆院予算委員会で立憲民主党の枝野幸男議員が行った質疑について報じた記事へのネットの反応は象徴的だった。クルーズ船乗客への対応の不手際やPCR検査の体制不備などを質し、政府全体の危機意識のなさや当事者意識の欠如を指摘した枝野氏に同調するコメントが多数寄せられた一方で、これまでなら一定数はあった安倍首相シンパの“カウンターコメント”がほとんど目立たなかったのだ。 政府の対策には、これまで安倍首相を支持してきた産経新聞や百田尚樹氏ら保守層も異論を唱えるようになった。憲政史上最長を記録した安倍内閣が、その求心力を取り戻すことはもう難しいかもしれない。●取材・文/池田道大(フリーライター)
2020.03.01 07:00
NEWSポストセブン
崎陽軒シウマイ不買運動を呼びかけ狙い通り炎上したN国・立花孝志党首
N国・立花孝志氏がホリエモンや清原和博氏に出馬要請する狙い
 炎上商法を実践しながら勢力を伸ばす政党「NHKから国民を守る党」の公約は「NHK集金人のトラブルを解決するために、集金行為が必要ないNHKのスクランブル放送化の実現」を目指すことだ。世間に漠然と存在するNHKへの反感を利用して、衆議院議員1名、参議院議員1名、市区町村議員31名へと勢力を伸ばしてきた彼らの勢いは、N国現象、一時的なブームととらえてよいものなのか。『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』(集英社)の著者であるフリーランスライターの畠山理仁氏が、党首の立花孝志氏が考える公約実現、堀江貴文氏や清原和博氏へ出馬要請をする狙いをさぐり、一票を託す価値について考える。 * * * NHKから国民を守る党(N国)の行動原理は「悪名は無名に勝る」の一言に尽きると言っていい。炎上による悪目立ちを繰り返しても、「反NHKの政党」というイメージが世間に広がりさえすれば、一定の得票が見込めるからだ。この世に「NHK」という巨大組織が存在する限り、N国が政界から消えることはないだろう。 N国は先の参院選で「政党要件」を満たし、年間億単位の政党交付金を受け取る立場になった。税金から支出される政党交付金や議員歳費は、N国の政治活動を支えている。 そして、あまり知られてはいないが、政党要件を満たした政党には巨大な既得権がある。政党要件を満たしている期間に国政選挙があった場合、候補者を立てて票が入れば、「当選者0」であっても得票割合に応じて政党交付金が支出されるのだ。だからこそ、「次期衆院選では289の小選挙区すべてに候補者を立てたい」(立花孝志党首)という野望も実現可能になっている。 小選挙区の供託金は300万円。これに289選挙区をかけると、8億6700万円になる。しかし、仮に小選挙区での得票割合を「6%」として計算すると、4年間の政党交付金(衆議院小選挙区での得票割合分のみ)で十分お釣りが出る。立花党首は「1票あたり約80円」と計算しているが、有権者はすでに「打ち出の小槌」をN国に与えていると言ってもいい。 そんな立花党首の座右の銘は「カネとオンナと票は、取りに行ったら逃げる」だ。だから有権者に嘘を言って無理をしたり、媚びたりすることはない。自らの言動を多くの人に理解してもらおうとも思っていない。「本音の自分を出していけばいい。嫌われてもいい」と言う。従来の常識や道徳、倫理観でN国を批判しても、まったく響かない理由がここにある。 一般的には「品がない」と映るかもしれない。実際に筆者もそう感じた。だから立花党首とイベントで同席した際、面と向かって指摘した。すると、彼は胸を張ってこう言った。「そんなことはわかっています。でも、悪役を辞めるつもりはありません。NHKのスクランブル放送化を実現するために、これからもどんどん炎上して、どんどん売名します」◆N国が目指す「選挙と政治の分離」 そんなN国の次の一手は、「選挙と政治の分離」だという。立花党首は「国政選挙における選挙区での当選は無理だ」と明言しながらも、知名度の高い候補を何人も立て、党の得票の底上げを図っていく計画だ。 候補者の知名度がなければ「イケメンや美人を立てる。若者や高学歴の人を立てる」と言ってはばからない。そして最終的には、定数の多い比例ブロックでの当選を目指している。 衆議院議員選挙には、全国で11の比例ブロックがある。立花党首の分析によれば、そのうち、定数が多い次の6つで当選の可能性があるという。以下に列挙する「当選ライン」とは、1議席獲得に必要な得票率の目安である。・東京ブロック(定数17)当選ライン5%・北関東ブロック(定数19)当選ライン4%・南関東ブロック(定数22)当選ライン4%・近畿ブロック(定数28)当選ライン3%・九州ブロック(定数20)当選ライン4%・東海ブロック(定数21)当選ライン4% これに先の参議院選での得票率をそのまま当てはめることは適当ではない。しかし、7月の参院選で、N国は全国の選挙区での得票率3.02%を記録した。候補者を立てた37選挙区のうち、福井県、岐阜県、群馬県では得票率が7%を超えたこと(7.68%、7.47%、7.43%)、もっとも低い大阪府は1.24%だったが、それ以外ではすべて2%を超えたことを踏まえて数値を重ねてみると、議席獲得の可能性は十分にあると思えてくる。 N国がさらに周到なのは、国政選挙と地方選挙を連動させて候補者の選定を進めている点だ。つまり、勝ち目のない国政選挙への立候補は、のちに行なわれる地方選挙で勝つための『顔見世興行』の意味を持っている。 国政選挙の供託金300万円を払っても、N国の候補者には敵の本丸である「NHKのスタジオ」という最高のロケ地で撮影したプロモーションビデオ(政見放送)が残る。しかも、N国は政見放送をすぐにYouTubeにアップする。ネット上で永続的に流せる政見放送は、「反NHK」をアピールする最高の素材になるのだ。 しかも、一定の得票があれば、党には政党交付金が入ってくる。有効投票数の10%をクリアすれば供託金も返還される。ポスター印刷代などの選挙費用も公費負担が受けられる。立花党首が「選挙を使って売名するほうが圧倒的に安い」と胸を張るのは、そのためだ。 立花党首は7月21日執行の参議院議員通常選挙で当選していたにも関わらず、任期途中で参議院埼玉選出議員補欠選挙(10月27日投開票)に鞍替え出馬して自動失職する道を選んだ。この理解しがたい行動は大きな話題となったが、実はその直後にも想定外の行動をとっている。埼玉補選の選挙期間中、投開票日を待たずに早々と「敗北宣言」をし、11月に行なわれる海老名市長選挙(3日告示、10日投開票)への立候補を表明したのだ。選挙中の候補者の常識からすれば、とても信じられない。その上、埼玉補選での落選翌日には、「海老名市長選に当選しない可能性が高いのは自覚している」 と話しながら、「この他にも、奈良県の桜井市長選挙、東京の府中市もしくは八王子市の市長選挙、神奈川県の藤沢市長選挙、大阪府の大東市長選挙、そして来年7月の東京都知事選挙など、首長選挙に出続ける予定です」 との計画も明かした。こうした事実だけを見ても、N国と立花党首を常識で測ろうとすることに全く意味がないことがわかるだろう。◆NHKのスクランブル放送実現まで何年待てるのか ここで有権者は大切なことを意識しなければならない。それは立花党首の言動だ。 N国の立花党首は、党の集票の広告塔となりうる人物を選挙に立候補させ、党勢の拡大を目指している。そして驚くべきことに、「選挙の得意な人は選挙だけすればいい」「当選したら、政治は別の人がすればいい」とも発言している。 たとえば、先の参議院埼玉補欠選では、立花党首の選挙ポスター掲示責任者として堀江貴文氏が名前を連ねていた。しかも、堀江氏の名前は候補者名とほぼ同じ大きさで大書されていた。ポスターに掲示責任者の名前を明記することは公職選挙法で定められているが、文字のサイズに規制はない。普通であれば、選挙の「主役」である候補者の名前を大書して、掲示責任者の名前は読めないほど小さく書く。まさかここまで掲示責任者の名前を大きく書いてアピールする候補が現れるとは、は誰も想定していなかったはずだ。 立花党首は次期総選挙において、堀江氏を埼玉5区(立憲民主党の枝野幸男代表の地盤)と北関東ブロックに重複立候補させる計画を再三にわたって話してきた。堀江氏はいまのところ態度を明確にしていないが、立花党首は「おそらく出るでしょう」と繰り返している。出馬を明確には否定せず、話題が継続する余地を残している時点で、堀江氏は十分に「N国の広告塔」としての役割を果たしている。 仮に堀江氏が埼玉5区で立候補したとしても、問題は残る。いくら有権者が「ホリエモンを政治家に」と願って投票しても、堀江氏が政治家として全く活動しない可能性があるからだ。立花党首の中では、あくまでもホリエモンは「選挙だけをする人」。政治をするのは全く別の人になる可能性がある。有権者は、N国やN国の候補者に投票する前に、そのことを十分に認識しておく必要がある。 さらに立花党首は筆者の質問に対し、「清原さん(元プロ野球選手の清原和博氏)にも出馬を打診しています」とも明かしている。出馬交渉が難航していることは認めているが、それでも実名を出すことはやめない。名前を出すだけで広告効果があることを知っているからだ。交渉中の相手の実名をバンバン出すことも、従来の常識では考えられないことだろう。 もし、有権者にとって唯一の救いがあるとすれば、N国が事実を隠そうとはしないことだ。筆者がN国の公約のキモである「NHKのスクランブル放送実現にはどれくらいの時間がかかるのか」について質問すると、立花党首はこう答えた。「簡単にはいかないでしょうね。5年から10年はかかるのかなと思っています」 しかし、5年後、10年後にスクランブル放送が実現できるかどうかは、全くの未知数だ。年間2万5千円ほどの受信料を「安心して払わない」ために、他の政策課題を犠牲にしてまで何年も待ち続ける有権者がどれほどいるだろうか。 世の中に、「N国には常識が通用しない。面倒だから関わりたくない」という感情があるのはよくわかる。しかし、そうした考えはN国の実態をより不透明にし、結果としてN国を支える力になってしまうことを忘れてはいけない。 いま必要なのは、特定の政党を熱狂的に支持することでも、感情的に怒ることでも、完全に無視することでもない。各政党の政策や実態に関する情報収集を進め、「一票を託す価値があるのか」を冷静に判断することだ。●はたけやま みちよし/フリーランスライター。1973年生まれ。早稲田大学在学中から取材、執筆を始める。泡沫候補と呼ばれる立候補者たちを追った『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』(集英社)で第15回開高健ノンフィクション賞受賞。他の著書に『記者会見ゲリラ戦記』(扶桑社新書)、『領土問題、私はこう考える!』(集英社)など。黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い
2019.11.05 07:00
NEWSポストセブン
小学生が真似するほど広まった右腕を振りかぶるポーズをとるN国党・立花孝志党首
N国の選挙戦略はNHKにとって「悪魔のビジネスモデル」
 右腕を振りかぶりながらキャッチフレーズを叫ぶ政党「NHKから国民を守る党」の政見放送は、有権者の多くが冷ややかに見た一方で、小学生が芸人の一発芸のようにマネする流行も生み出した。誰もまともに相手をしないだろうという世間の予想を裏切り、今では衆議院議員1名、参議院議員1名、市区町村議員31名を擁する勢力になっている。略称「N国党」は、なぜ勢力を伸ばしているのか。『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』(集英社)の著者であるフリーランスライターの畠山理仁氏が、彼らの選挙戦略とそのビジネスモデルについて解説する。 * * *「NHKを、ぶっ壊す!(ニッコリ)」 そんなフレーズや奇抜な政見放送ばかりが注目される「NHKから国民を守る党(N国)」。なんとなく、「反NHKの団体」というイメージを抱いている人は多いかもしれないが、胸を張って「N国の実態を知っている」と言える人は少ないはずだ。 実は、こうした世間の無知、無関心も、N国躍進の理由の一つになっている。 N国は2013年6月の結党以来、公職選挙法を最大限に活用し、炎上上等の選挙戦略で勢力を拡大してきた。現在の現職地方議員の数は31名。7月の参議院議員選挙では立花孝志党首が比例代表で初当選を果たし、念願の政党要件も獲得した。 しかし、それからわずか3か月足らずの10月8日。立花党首は10月10日公示の参議院埼玉県選出議員補欠選挙(27日執行)に立候補することを表明し、参議院議員を自動失職する道を選択した。 この不可解な行動で、多くの人の頭の中には疑問符が浮かんだことだろう。立花氏は補欠選であえなく落選したが、落選翌日の記者会見では報道陣に笑顔でこう語っていた。「今回の補欠選でかかった選挙費用は1万1千円。16万8289票(得票率13.6%)で供託金300万円も返ってくるラインを超えたから、勝ったようなもんですよ」 立花党首が余裕の表情を浮かべられるのは、参議院での1議席がN国の浜田聡氏の繰り上げ当選で維持されているからだ。党の議席を減らさず、世間を騒がせて知名度を上げる。これは極めてN国らしいやり方だった。 このように、選挙に出続けて売名行為を続けるN国の戦略を、ホリエモン(堀江貴文氏)のようにプラスと評価する人もいる。その一方で、従来の常識や倫理観からは予想できない言動に呆れ果て、強いマイナス感情を抱く人たちも数多く生み出している。 もっとも重要なことは、世の中にはN国の存在や実態を知らない人たちがまだまだ数多くいるという現実だ。だからN国は悪目立ちしてでも売名行為に勤しむ。それが新興勢力であるN国の生命線だとよく知っているのだ。 所属議員の問題発言や問題行動などの実態を知っている人からの批判が多いN国だが、それでも選挙に候補者を立て続ける限り、当選する可能性は「ゼロ」ではない。むしろ知名度が高まるにつれ、当選可能性は高まっている。真面目な人がいくら正論を述べてN国を批判しても、候補者を立てない勢力が選挙で勝つ可能性はゼロだからだ。 すべての有権者は、年齢、性別、学歴、年収に関わらず、誰もが同じ重さの一票を持つことを再認識したほうがいい。政党や候補者の実態を熟知して投じる一票も、単なるイメージで投じる一票も同じ一票だ。だからこそ、数年に1度しかない選挙では、十分に情報収集をして後悔しない投票行動をするべきだ。 これはN国に限った話ではない。日本は増税を推進する党を選挙で与党にしておきながら、選挙直後の世論調査で7割近い国民が増税反対と答えるような国である。こんな奇妙で滑稽な光景があるだろうか。◆NHKがある限り、N国は不滅である N国とは「NHKのスクランブル放送化の実現」を最大の公約に掲げる政党である。かつての所属議員や支持者の中には「NHKの放送内容を糾す団体」と勘違いしていた者も見受けられるが、それは大きな間違いだ。N国はNHKの放送内容には全く関知しない。N国が問題にしているのは、NHKの受信料制度や受信契約をめぐっておきる、NHKやNHK集金人とのトラブルだけである。「NHKをぶっ壊す!」はたしかにキャッチーなフレーズで子どもにも大人気だが、N国の実態を正確に表してはいない。N国の活動がNHKの改革に寄与する可能性はあるが、「すぐにNHKがぶっ壊れる」と信じている人は、考えを改めたほうがいいだろう。 そんなN国の躍進を支えてきたのは、世間に根強くある「NHKへの反感」だ。これはN国が訴える受信料制度への不満だけではなく、ぼんやりとした反感も含む。N国はその存在を知っているからこそ、政見放送でしきりにNHKに対する憎悪の念を煽ってきた。 その結果、7月の参院選でN国が候補者を立てた37選挙区のうち、福井県、岐阜県、群馬県では得票率が7%を超えた(7.68%、7.47%、7.43%)。もっとも低い大阪府は1.24%だったが、それ以外ではすべて2%を超え、選挙区での得票率は3.02%になった。つまり、全国の「反NHK票」を掘り起こし、受け皿となっているのだ。しかし、N国に投票した人たちが、本当にN国の主張や実態を知った上で投票したのかどうかは知る由もない。 N国の立花孝志党首は、これまでに何度も「NHK問題以外はやらない」と公言してきている。最近になって「インターネットを使った直接民主制の導入」も謳い始めたが、まだ実際の運用レベルには至っていない。NHKの集金人が来なくなると主張する「NHK撃退シール」を配布する活動や、集金人の対応に困った人からの相談を受ける電話相談は結党当初から続いており、参院選後には党独自のコールセンターも開設された。しかし、それ以外の政治的実力はまったくの未知数である。 有権者が解決を求める政治課題は、NHKの受信料問題だけではない。そのため、今後もN国が巨大な勢力になることは考えにくい。しかし、世の中に一定数存在する「反NHK票」の受け皿が新たに現れない限り、N国が議席を取り続ける可能性はなくならない。 とくにN国が力を注いでいるのは、大選挙区制で行なわれる選挙である。これは1つの選挙区で複数の当選者を選ぶもので、市区町村レベルの地方議会議員を決める選挙である。もう一つ力を入れているのが、国政選挙における比例代表制だ。 これらの選挙結果を分析すると、あることに気づく。有効投票数の約2.5%を取れば、「1議席」の当選ラインに届くのだ。 立花党首はこれまでに何度も、「40人のうちの39人に嫌われても、1人が入れてくれれば当選できる(得票率2.5%)」と言ってきた。その言葉の通り、議会で多数派を占めることはできなくても、確実に1議席は取れるラインがある。N国はここに目をつけて各地の選挙に候補者を立て、1議席を取りに行っている。議席を獲得すれば、税金から歳費が支払われる仕組みが手に入るからだ。 議会制民主主義の中で、1議席でできることは限られる。しかし、NHKの受信料制度に文句を言う勢力は、いつまで経っても消えない。地方議員の発言力は、ただのボランティアとは違ってNHKに対するプレッシャーにもなる。しかも、国政選挙や知事選挙の際には、「政見放送」というプロモーションビデオの撮影を行う義務がNHKには課されている。こうしたN国の選挙戦略は、NHKにとって「悪夢のビジネスモデル」と言えるだろう。●はたけやま みちよし/フリーランスライター。1973年生まれ。早稲田大学在学中から取材、執筆を始める。泡沫候補と呼ばれる立候補者たちを追った『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』(集英社)で第15回開高健ノンフィクション賞受賞。他の著書に『記者会見ゲリラ戦記』(扶桑社新書)、『領土問題、私はこう考える!』(集英社)など。黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い
2019.11.04 07:00
NEWSポストセブン
「脅迫」と「恐喝」の違い、刑が重いのはどちらか
「脅迫」と「恐喝」の違い、刑が重いのはどちらか
 新聞やニュース番組でよく見聞きする犯罪用語。深く考えずに複数の似たような言葉を使っているかもしれないが、実はそこには違いがある。たとえば「脅迫」と「恐喝」という言葉。その違いはどこにあるのだろうか──。「有罪になれば議員辞職します」等、その発言で何かとお騒がせなのが、『NHKから国民を守る党』の立花孝志党首。インターネットに投稿した動画で、元N国党の東京都中央区議の男性を批判。脅迫容疑で書類送検された。「脅迫」って、その字面からもなんとなく怖さが伝わるけれど、「恐喝」も脅すという意味では同じなのでは?『東京ディフェンダー法律事務所』の弁護士・公認不正検査士の久保有希子さんが、その違いを説明してくれた。「脅迫罪における『脅迫』とは、他人を畏怖させるような害悪を加えることの告知をいいます。伝える害悪の内容は、相手やその親族の生命・身体・自由・名誉・財産に対するものに限定されています。 これに対し、恐喝罪における『恐喝』とは、反抗を抑圧するに至らない程度の脅迫、または暴行を加えて、財物の交付を要求することをいいます。『財物の交付』に向けられているという点が脅迫とのいちばん大きな違いです」(久保さん) ちなみに、脅迫罪は2年以下の懲役または30万円以下の罰金。恐喝罪は10年以下の懲役に処される。※女性セブン2019年10月31日号
2019.10.18 16:00
女性セブン
「れいわ新選組はナチス的ポピュリズムか」の声に舛添氏回答
「れいわ新選組はナチス的ポピュリズムか」の声に舛添氏回答
 新興政党ながら先の参院選で2議席獲得した「れいわ新選組」。旧態依然とした永田町に吹き込む新風を期待する声が高まっている。だが、『ヒトラーの正体』を上梓したばかりの政治評論家・舛添要一氏は、「手放しの礼賛は危険。慎重に検証すべき」と指摘する。 * * * 先日、「NHKから国民を守る党」とナチス党の選挙運動の共通点について、発言しました。これには賛否がありましたが、他方で「れいわ新選組(以下、れいわ)の方がナチスに近い」「今後、国政で存在感を増すれいわを検証してほしい」といった意見がたくさん寄せられました。そこで今回は、れいわとナチス党の共通点について述べようと思います。 前もって言っておきますが、党首である山本太郎氏がヒトラーのような独裁者であるとか、差別的言説を行っていると言いたいわけではないので、ご承知ください。 さて、大前提の話をします。冷戦終了から30年近く経ちました。かつてのように右(保守)と左(リベラル)のイデオロギー対立をもって政界地図を描ける時代は終焉を迎えています。日本は自民一強時代を迎え、それに対峙するはずのリベラル代表格の立憲民主党は、何ら対立軸を見出せていない。 硬直化した政界に、変化をもたらす切り口(新たな争点)があるとすれば、上と下の対立軸です。一部の富裕層とそれ以外の大多数との格差は広がり、「分断」時代が到来しています。下層に位置する国民にしてみれば、政治は安定しているのに、なぜ私たちに富は配分されないのか、との不満が募ることでしょう。 世界中でこうした声が噴出しており、既得権を突き崩そうとする動きが盛んです。日本でそうした不満の受け皿となりつつあるのが、山本氏率いるれいわに他なりません。 このたび躍進したれいわの主張をざっと並べてみましょう。最低賃金1500円、奨学金返済免除、消費税廃止・所得税や法人税の累進課税、財政出動、野宿者支援…。こうした主張に通底するメッセージは明確です。「国民を飢えさせない」 これは、ヒトラーの「労働者むけ政策」を彷彿させます。ホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)や他国の侵略といった側面ばかり注目されるナチスですが、党の綱領には、小企業の保護や貧困家庭の教育費国庫負担など、労働者に訴える内容が多く盛り込まれています。 ナチスは右翼政党のように日本人に思われていますが、実はそうではありません。そもそもナチスはドイツ人がそう呼んだわけではなく、敵陣営による蔑称です。ジャパニーズをジャップと呼ぶようなものです。正式にはナチオナールゾチアリスティッシェで、訳すと「国家社会主義」。ドイツ国民のための社会主義といったところでしょうか。具体的には、日々労働に従事する一般大衆のための政党を意味します。 つまりは、ナチスは下(労働者)からのポピュリズムの風にのった政党なのです。ナチスを熱狂的に支持したのは、既得権益にあずかれない大衆(危機的階層)でした。彼らはエリートを嫌い、むしろ「マージナルマン」(外れ者)が中央に成り上がる様に喝采を送りました。 ここにれいわとナチスのもう一つの共通項があります。党首の山本氏は、芸能界から国会議員になるも、しばらく「無所属のはぐれカラス」でした。突飛な国会質問、天皇に直訴の手紙など、エリート政治家には真似できない手法で注目を集めてきました。永田町の政治家たちは、山本氏のことをバカにしていたことでしょう。参院選に出たれいわの候補者たちも、これまで周縁にいた人たちが多い。 ヒトラーも学歴だけでいえば、小学校しか出ておらず、ましてやドイツ人ですらありません。オーストリア人です。そんなアウトサイダーの彼が成り上がっていく際には、神出鬼没の街頭演説や共産党への攻撃的な選挙妨害など、「やけっぱち」とでも言いたくなるような手法をとりました。 当初は、エリート政治家たちからピエロのように扱われていたこの男が、第一世界大戦後の経済恐慌というドイツの苦境に際して、爆発的に支持を拡大していったのはご存知の通りです。翻って日本でも、いまリーマン級のショックが起これば、何が起こっても不思議ではありません。 もちろん大きな違いはあって、重度障害者の政治家を実現させたれいわの姿勢は、優生思想を押し進めたナチスとは、対局的です。これまで政治に関与できなかった人間を永田町に送り込んだ功績は、高く評価されるべきでしょう。ポピュリズム政党という側面だけで、両者を同一視するつもりはありません。 ただし、一つ注意したいことがあります。れいわの主張は富裕層を除く、多くの国民にとってありがたいものです。ではどうやって実現させるのか。そこに大きな疑問が残ります。また、山本氏の看板政策であり、彼の政治信念であろう「反原発」について最近、ほとんど発言していないのも気になります。 国民受けがよい政策ばかり並べ、党勢を拡大してもいずれメッキは剥がれます。そのとき、被害を被るのは、大多数の国民です。有権者は熱に浮かされず、冷静な視点で新興政党を見つめることが大切です。*『ヒトラーの正体』刊行イベント「ヒトラーはいつだって甦る ──永田町のバカへの警告」(舛添要一氏×適菜収氏対談)が9月7日に本屋B&Bにて行われます。(詳細→http://bookandbeer.com/event/20190907a/)
2019.09.04 16:00
NEWSポストセブン
「崎陽軒のシウマイ弁当」 食事に酒のつまみに最強なこれだけの理由
「崎陽軒のシウマイ弁当」 食事に酒のつまみに最強なこれだけの理由
「NHKから国民を守る党」の立花孝志代表が、自身に批判的な発言をしたマツコ・デラックスへの抗議の意味で、マツコの出演する番組のスポンサーである「崎陽軒」を不買すると自身のYouTubeチャンネルで表明した。すると、崎陽軒ファンから非難が殺到。同氏が「シウマイ」のことを「シューマイ」と表記した点も批判の対象となった。 一方で、この騒動を受けてシカゴ・カブスのダルビッシュ有投手が、ツイッターで〈崎陽軒に罪はない気がする笑 てか良く新幹線乗るとき買ってたなー。また食べたい〉とつぶやくなど、「シウマイ食べたくなった」という声もネットに多数書き込まれている。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏もその一人で、最近、新幹線車内でシウマイ弁当を食べ、その味に改めてうならされたという。 * * * 私の場合、東京駅から新幹線に乗る時の仕事とビールのお供としては、「マンゴーツリーカフェ」のガパオライスか崎陽軒のシウマイ弁当かで毎度悩みます。しかし、あんな騒動があっただけに、今回はシウマイ弁当一択でしょう! 久々に食べてみたのですが、やはりビールに合いますね。今回、品川の段階で、私の座った列と前の列には合計8人の乗客がいたのですが、そのうち3人がシウマイ弁当で、もう一人が「炒飯弁当」でした。なんと崎陽軒率50%です! 立花氏のあの宣言が影響したのかどうかは分かりませんが、朝9時20分の段階でシウマイ弁当の残り個数はかなり少なくなってきました。まぁ、追加されるのでしょうが。 シウマイ弁当を食べる前に、「助走」として別のつまみを食べながらビールを飲むのが好きなのですが、今回は「鳥麻」で串のネギ間、レバー、野菜つくねを1本ずつ買い、これを串から外して同行者とまずは半分ずつ分け、こちらでビールを楽しみます。 これが終わったところでシウマイ弁当に取り掛かるのですが、まずは、ビールには合わない杏をさっさと食べ終えてしまう。続いて玉子焼きとカマボコをご飯の上に乗せ、醤油をかける。カマボコにはシウマイ用のカラシをつけると尚良し、です。これをちまちまと食べながらビールを摂取するのが、序盤の楽しみです。 そこに鮪の照り焼きを少し食べたり、サッパリさせるために紅ショウガを食べ、さらにはカリカリ梅も食べる。塩っ気がもっと欲しくなったら、大量に存在するタケノコの煮物をひとかけら食べると、これがこれがビールが進むのです。◆おかずを酒のアテにし過ぎてもなんとかなる ここで先ほどから横眼でチラチラと見ていたシウマイに手をつけますが、もったいないので1個を箸で半分に割り、醤油とカラシをかけて食べ、またビールを飲む。「大物」たる鶏のから揚げも適宜食べ進めていくのですが、今回改めて実感したのは、シウマイ弁当は「食事としても」「つまみとしても」一線級のウマさだということです。 ガパオライスについては、ナンプラーと唐辛子を追加で頼み、トッピングの目玉焼きの上からボタボタとかければ塩っ気が上がり、ツマミとしての実力が上がります。だからこそ崎陽軒と双璧をなす(と勝手に考えている)のですが、多くの駅弁はご飯とおかずのバランスが実によくできている。だからこそ、牛すき焼き弁当なんかは、牛肉や漬物をおかずを酒のつまみにしようものなら、ご飯が余り過ぎてしまいます。 牛すきやき弁当で、タレのついたご飯だけを食べる時の味気なさったら……。でも、シウマイ弁当の場合は、タケノコの煮物の塩っ気がご飯に合うので、仮におかずを酒のアテにし過ぎてもなんとかなる。私の場合は、醤油の小袋をもう一つ用意しておくほか、ふりかけの小袋も用意するためどうとでもなるのですが、タレご飯はやっぱりキツい。そこにふりかけをかけるわけにもいかないですし。と考えると、崎陽軒の魅力はその汎用性の高さにもあるといえましょう。 しかも、値上げしたとはいえ、1000円以上が当たり前の駅弁界隈の中、860円のお手軽価格。2人いる場合はシウマイ弁当に加え、6個入り300円のシウマイを買っておかず不足を回避することも可能です。 昔からあるけど、当たり前の存在すぎてついつい忘れてしまう愛しいヤツ――こんな扱いを受けることもある崎陽軒のシウマイ弁当。「やっぱうめーな」が感想です。これからも積極的に新幹線のお供にしていきたいと決意を新たにした次第です。
2019.08.24 16:00
マネーポストWEB
参院本会議場で着席するNHKから国民を守る党の立花孝志参院議員(時事通信フォト)
N国とナチス党の選挙運動に類似点 舛添要一氏が指摘
『ヒトラーの正体』(小学館新書)を上梓したばかりの舛添要一氏が「NHKから国民を守る党」(以下N国)について、ナチスとの関連を指摘したツイートが物議を醸している。N国党首・立花孝志氏本人からも即座に抗議の返信も寄せられた。舛添氏がその真意を述べる。 * * *〈1921年にナチス党の党首となったヒトラーは、街頭活動のとき対立する政治勢力から自分を守るためにSA(突撃隊)を組織するが、SAは「敵陣の攻撃にも出かけ、恐れられていく」(拙著『ヒトラーの正体』より)。MXテレビに押しかけるN国の立花党首やその信奉者たちと二重写しになる。笑い事ではない〉 8月20日午前に上記のツイートをしたところ、すぐにN国の立花孝志氏本人から、〈舛添様 はじめまして 私にはヒトラーのように国をまとめる才能があるとお考えなのでしょうか?(後略)〉とのツイートが返信欄にかえってきました。 まさか本人から返信があるとは思っていませんでした。なんといってもリアクションが早い。これは「泡沫候補」と呼ばれながらも、SNSを活用し、先の参院選で議席を獲得した立花氏ならではのものでしょう。メディアも通さず、直接SNSで反論できる。政治も新たな時代に入ったことを実感しました。 同時に彼の支持者や信奉者と見られるユーザーからも、続々とツイートが寄せられています。立花氏を、ヒトラーにたとえるのはおかしい、レッテル貼りだ、といった内容です。 誤解されているようですが、私は、立花氏自体(つまりは主張や性格)がヒトラーと似ているだとか、彼が独裁者になりうる、と言いたいわけではありません。立花氏が自ら言う通り、彼に「国をまとめる才能」があるとも思っていません。さらに言えば彼らに、ナチスがユダヤ人を攻撃したような排外主義的ナショナリズムを感じるわけではありません。 ただし、ナチスが政権を奪取する過程で見せた選挙運動との類似については、思うところがあります。ヒトラーは、ホロコースト(ユダヤ人虐殺)が後世の人々に記憶されていますが、政権奪取前、「ヴェルサイユ条約をぶっ壊す」という主張を繰り返し、民衆の支持を得ていったという過程があります。(同条約は、第一次大戦の敗戦に連合国側と結ばれた講和条約で、多額の賠償金と再軍備の禁止を課すものです)「NHKをぶっ壊す」──これが立花氏の主張です。唯一の主張です。一見、政治家としての引き出しが少なく見えます。でも違います。こうしたワンイシューを繰り返すことで民衆の脳裏に刷り込んでいく手法を、ヒトラーはとても自覚的に行っていました。ヒトラーは『わが闘争』のなかで、「大衆の受容能力は非常に限られており(中略)効果的な宣伝は、重点をうんと制限して、そしてこれをスローガンのように利用し(中略)最後の一人にまで思い浮かべることができるように継続的に行われなければならない」と断言しています。  もっとも「NHKをぶっ壊す」という主張は、決して新しいものではありません。評論家・古谷経衡氏も指摘していますが(https://news.yahoo.co.jp/byline/furuyatsunehira/20190722-00135151/)、「○×新聞は左傾化している」「○△テレビ局には在日が優遇された反日放送局だ」「だから世論が誤った方向に誘導されている」といった大手メディア批判は、かつて一部の保守派でも展開された主張です。「NHKをぶっ壊す」とは、いわば使い古された言葉なのです。だからといって次の政治スローガンを探さず、これを先ほど述べたように、ひたすら連呼するところが、立花氏の強さです。 実はヒトラーも、伝統的保守派からは当初、「色物」のようにバカにされていました。SA(突撃隊)という、熱狂的な信奉者のガードのもと、共産党などの対立陣営のもとにも足を運び実力行使をも厭わないから、せいぜい共産主義に対する防壁と考えていただけです。しかし、既成政党や有力政治家が、庶民とは関係のないレベルでの政治闘争を繰り広げている間に、彼は着々と存在感を増していきます。そして民主的選挙によって、議席を増していくのです。 繰り返しますが、立花氏がヒトラー的独裁者だとは思っていません。ただしマスコミが、彼のようなある種のポピュリストを面白がっている間に、思いも寄らぬことが起こりうるという思いはあります。その点、ジャーナリスト・江川紹子氏による「メディアはN国の取り上げ方をよく考えて」という主張(https://news.yahoo.co.jp/byline/egawashoko/20190816-00138652/)には、全面的に賛成します。 20世紀最大の暴君ヒトラー。この男が当時最も民主的な国家と言われたワイマール共和国から誕生したことを、現代に生きる私たちは忘れてはなりません。*『ヒトラーの正体』刊行イベント「ヒトラーはいつだって甦る ──永田町のバカへの警告」(舛添要一氏×適菜収氏対談)が9月7日に本屋B&Bにて行われます。(詳細→http://bookandbeer.com/event/20190907a/)
2019.08.21 07:00
NEWSポストセブン
【動画】N国党・立花氏が暴露した不正経理疑惑に有働アナ反論!
【動画】N国党・立花氏が暴露した不正経理疑惑に有働アナ反論!
 NHKから国民を守る党の代表・立花孝志氏が、NHK時代の有働由美子アナの“不正経理”を告発しています。
2019.08.17 07:00
NEWSポストセブン
 比例代表で当選が決まり、笑顔でポーズをとる政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志代表=22日午前4時34分、東京・赤坂
【動画】NHKに聞いてみた N国党を日曜討論に参加させるのか
 丸山穂高氏が入党し、ほかにも過去に問題のあった議員など10人以上の議員にスカウトをかけているNHKから国民を守る党。所属議員5人になるとNHK『日曜討論』に出演可能とされますがNHKの木田幸紀・放送総局長は記者会見で「報道機関としての自主的な編集権に基づき決めていく」とし局の判断次第では、出演させない可能性もあることを示唆しました。改めてNHK広報部に取材すると「自主的な編集権に基づいて対応する」の一点張り。果たして出演はあるのでしょうか。
2019.08.08 16:00
NEWSポストセブン
局アナ時代の騒動が再燃
N国・立花代表に不正経理指摘された有働由美子アナ側が反論
 参院選後の余熱が冷めない。山本太郎氏(44才)が率いる「れいわ新選組」から当選した、重度障害者の2議員が初登院を果たせば、「NHKをぶっ壊す」を旗印に1議席を確保した「NHKから国民を守る党」(以下、N国党)の代表・立花孝志氏(51才)は、同党初の参議院議員として渡辺喜美氏(67才)と統一会派を組んだ。 2013年に発足したN国党は現在、27人の地方議員を抱える。「立花氏は当選後、『戦争発言』が物議を醸した丸山穂高衆議院議員(35才)を入党させ、勢力を拡大しています。パワハラ問題が取り沙汰された石崎徹衆議院議員(35才)やセクハラ疑惑のある青山雅幸衆議院議員(57才)にも声をかけているそうです」(全国紙政治部記者) 立花氏は元NHK職員。退職後、N国党を結党してからは、2015年に千葉県船橋市議会議員、2017年には東京都葛飾区議会議員に当選した。「存在感を強めたのは船橋市議を任期途中で辞任し、都知事選に立候補した2016年です。NHKの政見放送で『NHKをぶっ壊す!』と連呼して、良くも悪くも注目を集めました」(前出・政治部記者) 1つの政策だけを掲げる「ワンイシュー選挙」で成功し、その後も、さまざまな手段で耳目を集めてきた立花氏。かつてNHKで同僚だった有働由美子アナウンサー(50才)への「暴露」も、その一環なのだろうか。立花氏は、NHK時代の有働アナの“不正経理”を告発している。 それは、「自分の衣装を個人的なつきあいのある業者を通して購入し、1回5万円の経費をNHKに支払わせていた。その衣装は自分のものにしていた。つまり、“横領”に近い行為」という内容だ。 立花氏本人が語る。「本来返すべきものを受け取っていたということ。2000年代初頭の話で、裏取りもしています」 一方、有働アナの事務所はこれに反論する。「衣装の手配はルールに則った正式なもので、自腹で買い取ったこともある。不正な私有はしておらず、全く問題はありません」 また、NHKに事実関係を問うと「お尋ねのような事実はありません」と答えた。 NHKに関するすべてに“けんか”を仕掛ける立花氏。彼の拳はどこまで壊すのか。※女性セブン2019年8月22・29日号
2019.08.08 16:00
女性セブン
街頭演説する国民民主党の玉木雄一郎代表(時事通信フォト)
「11月解散総選挙」で自民圧勝なら国民民主は吸収合併か
 11月解散、12月総選挙は自民党にとっては五輪前の最後の解散チャンスだ。「参院選で躍進した」と報じられた野党小政党の動きは今、皮肉にも自民党が衆院選で圧勝する要因となり得る。改憲議論を進めると言明した国民民主党と改憲反対の立憲民主党などとは明確な姿勢の差が浮き彫りになっており、いざ総選挙となれば独自候補を立てて潰し合う状況も考えられる。 本誌・週刊ポスト独自のシミュレーションでも、勢いのあるれいわ新選組が一挙に10議席確保の可能性がある一方で、野党第一党の立憲民主は53議席前後にとどまり、離党者が相次ぐ野党第2党の国民民主はさらに減らして22議席前後、共産党は微増の13議席、選挙に強い議員が多い社会保障国民会議も5議席確保がやっとで、野党勢力はほぼ壊滅状態に陥る可能性が高い。野党では唯一、統一地方選と参院選で地元・大阪での圧倒的支持を見せつけた日本維新の会が近畿ブロックを中心に16議席前後に議席を伸ばしそうだ。 対して、野党の共食いで“漁夫の利”を得るのが自民党だ。単独で衆院の3分の2を超える316議席前後を獲得する可能性が高い。総選挙で自民圧勝となれば国会での憲法改正発議が現実味を帯びる。 国民民主は事実上、自民党に吸収合併されそうだ。 自民が衆院で3分の2を得たとしても、参院の勢力を考えると自民、公明、維新の改憲勢力に国民民主を加えた「改憲大連立」が有力な選択肢になる。国民民主は現在参院で21議席だが、野党統一候補として当選した議員のうち少なくとも6人は国民系と見られており、それを加えると27人。維新やNHKから国民を守る党、無所属議員を合わせると改憲勢力は公明党抜きでも参院の3分の2を確保できる。 そこまでお膳立てが整えば、安倍首相にとって憲法改正の「最後の障害」となっている9条改正に慎重な公明党が要らなくなる。「こちらも公明党に対して、“どうしても改正案に賛成できないなら連立を出ていってもらっても結構”と強く踏み絵を迫ることができる」(自民幹部) 公明党がどう転んでも、安倍首相は来年の通常国会で改憲大連立を組んで憲法改正を発議し、東京五輪・パラリンピック閉会後に国民投票を実施する「第2のシナリオ」が発動される。 それを花道に安倍首相は「歴代最長の総理」と「憲法改正を為し遂げた総理」という2つのレガシーを残して退陣を迎えられるのだ。だが、宴の後の自民党は巨大な“抜け殻”だ。「ポスト安倍で誰が総理になっても、次の政権は五輪後の景気後退、年金をはじめ社会保障の不安、高齢化の進展など安倍政権が手をつけなかった課題が深刻化し、アベノミクスの後始末を迫られる。もし、ポスト安倍政権で不景気や生活苦で国民の批判が高まれば、国会でどれだけ巨大な勢力を持っていようと安心はできない。小選挙区制では国民の支持が離れれば1回の選挙で政権がひっくり返る。小泉政権の後の自民党と同じ道を辿る危険があります」(政治評論家の有馬晴海氏) 膨れあがった与党は脆い。かつて小泉純一郎首相は郵政解散(2005年)で約300議席という大勝利を得て郵政三事業の民営化を実現した後、“燃え尽き症候群”で退陣。 後継の第1次安倍内閣は巨大与党を引き継ぎながら年金問題で批判を浴びてわずか1年で総辞職し、自民党は次の総選挙(2009年)で一挙に200議席近く減らして政権を失った。「政治家は使い捨てにされる覚悟を持たなければならない」とは、その小泉氏の名言だが、安倍首相が11月解散で圧勝して憲法改正の道に進んだ後、残された巨大与党の議員たちは、“一将功なりて万骨枯る”の使い捨てにされる運命にあるのかもしれない。※週刊ポスト2019年8月16・23日号
2019.08.08 07:00
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