3代目主人が作るつまみメニューは50を超える

「つまみのメニューは50を超えていて、手書きのものは日替わり。その多くがタカさんの手作りでね、酒はもちろんだけど、こいつがまたうまい。このいい匂いはにんにくの芽炒めだね。食欲も飲欲もそそられるでしょ。だれもがいろいろ食べたいんで注文が途切れないわけですよ。だから、作っては息を切らして配りまくってる。運ぶのぐらいは手伝うこともあるんだけどね」(50代、会社員)

 そう言いながら常連客の面々は、店内を飛び回るタカさんの姿も肴にして悠然と飲んでいる。

「僕は甲子園近くに住んでいるんですが、立ち飲みでは大阪に遠征してきます。神戸にも何軒かあるけど、やっぱ、立ち飲みは大阪ですよ。大阪の文化だなあって思いますもんねえ。さらに言うなら、遠征先はピンポイントでこの店です。タカさんがいて、いまだに本名も職業も知らないけれど気安く話せる顔なじみがいて、うまい酒にうまいつまみ。一気に気分がよくなります」(60代、一般企業経理)

 そんな店の冷蔵庫には、焼酎ハイボールが今日もまた魅力的な冷えた姿でずらりと並んでいる。

「こんな暑い季節には、この風景、最高でしょう。まあ、私に言わせれば季節に関係なく、酒が好きな人間だったら誰だってこれ好きなはずなんですよ。甘くなくて、ちょうどいい辛口っていうのかなあ。そして、タカさんが作ってくれる料理にもピッタリくるんで、やっぱり飲んじゃうんですよね」(60代、広告代理店)

「はいよ、お好み焼き、お待たせ」と、洋酒樽囲み組に届けに来たタカさん。疲れも見せず、笑顔でこう宣言した。

「今年の12月で、角打ちを始めてちょうど10年になるんです。創業100年(2027年)を超えるま、この楽しい店を続けるように頑張りたいですね」(森山さん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン