──その20年間、コンビニ業界が変化していく様子を澤田さんはどう見ていた?
澤田:いや、全然見ていなかったです。強いて言えば、やっぱりセブンは強いけど、ファミリーマートはまだまだだな、みたいな(笑い)。1人の消費者としてそんな感覚で見ていたぐらいです。社長になってからは「今に見ていろ」と思っていますけど。
──他の業界とコンビニ業界の違いは大きかった?
澤田:2005年に立ち上げた経営支援会社「リヴァンプ」では、米国のアイスクリームチェーン「コールド・ストーン・クリーマリー」の日本法人を設立したり、「クリスピー・クリーム・ドーナツ」をロッテと共同経営したり、フランチャイズというビジネスモデルについてはそれまでも勉強してきました。
しかし、フランチャイズの運営本部をマネージメントする経験はファミリーマートが初めてでした。
フランチャイズの運営は、純粋な小売業とは異なります。売り上げは加盟店の皆様からのロイヤリティ収入ですし、仕事は加盟店へのコンサルティングです。当社はチェーン全店の売り上げが約3兆円ですが、商品を仕入れ、売っているのはあくまで加盟店の皆様です。
今、24時間営業の是非などの問題がクローズアップされていますが、コンビニ業界が第一に考えなければいけないのは「加盟店の利益」です。加盟店の皆様をしっかりお支えし、悩みや不安をできるだけ取り除いていくことがFCビジネスの原理原則です。我々がビジネスを進めていく上で、それを絶対に忘れてはいけません。