ビジネス

SUV人気が息切れの中、マツダはどこまで車種を増やすのか

予約受注が始まったマツダのコンパクトSUV「CX-30」

予約受注が始まったマツダのコンパクトSUV「CX-30」(丸本明・マツダ社長)

 マツダが新型となるコンパクトSUV「CX-30」の予約受注を開始した。同車はマツダの主力SUVである「CX-3」と「CX-5」の中間サイズで、街乗りの快適性を重視した都市型クロスオーバーSUVの新世代カーとして、今後の売れ行きに期待を寄せている。だが、国内で人気のSUV市場は“息切れ感”も出始めている中で、どこまで注目を浴びることができるのか。経済ジャーナリストの河野圭祐氏がレポートする。

 * * *
「想定ライバル車は、国産車ならトヨタさんの『C-HR』やホンダさんの『ヴェゼル』、輸入車ならアウディの『Q2』あたりですね」

 マツダの新世代カー第2弾となった、コンパクトクロスオーバーSUV、「CX-30」の事前説明会で、同社商品本部主査の佐賀尚人氏はそう語った。

 仮想ライバルに挙げた「Q2」のほうは、来年1月に投入される、次世代エンジンの目玉、SKYACTIV-X搭載車がその対象になりそうだ。価格的にも通常のガソリンエンジンやディーゼルエンジン搭載車に比べて一気に跳ね上がり、レギュラーでなくハイオク仕様になるため、営業面でもどこまで輸入車と伍していけるか注目される。

 伸び悩む国内市場にあって、SUVカテゴリーのクルマは現在も主戦場だが、各メーカーから同ジャンルのクルマが相次いで投入されてきたこともあり、最近は他社でも、車種によっては販売台数に息切れ感が漂い始めた。

 マツダでは、この先もずっとSUVのトレンドが続くという見立てなのだろうか。前出の佐賀氏は「一過性のブームではない」としたうえで、こう語る。

「確かに個別にSUV市場のクルマを見ていくと若干、落ち込んでいるところも見え隠れしますが、クロスオーバーSUVそのものの需要は、今後も大きく減ることはないと考えます。

 過去のSUVと現在のSUVとでは、お客様の使われ方がずいぶん異なってきています。SUV、私は敢えてクロスオーバーという表現でよく言うのですが、従来の乗用車に代替する車形としてクロスオーバーが好まれ出している。つまり、乗用車そのもののスタイルが変わってきたと受け止めているのです。ですから、今後もある程度は定着していくジャンルになるはず。

 10年ほど前は、コンパクトクロスオーバーSUVというカテゴリー自体が、非常にチャレンジングな、いってみればまだ“提案市場”の域でした。代表例は、日産さんの『ジューク』(2010年に登場)あたりです。そのカテゴリーがいま、拡大成長期にあると見ていて、今回、当社が投入する『CX-30』もまさにその成長分野です。

 ですから、SUV市場トータルで見てもニーズはキープされているし、特にコンパクトサイズのクロスオーバーSUVはまだまだ成長過程で、勝算はあります」

関連記事

トピックス

【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
日本初となる薬局で買える大正製薬の内臓脂肪減少薬「アライ」
日本上陸の内臓脂肪減少薬「アライ」 脂肪分解酵素の働きを抑制、摂取した脂肪の約25%が体内に吸収されず、代わりに体内の脂肪を消費
週刊ポスト
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
専修大サッカー部を辞任していた源平監督(アフロスポーツ)
《「障害者かと思った」と暴言か》専修大サッカー部監督がパワハラ・経理不正疑惑で辞任していた 大学は「警察に相談している」と回答
NEWSポストセブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
日本製鉄によるUSスチールの買収計画
【日本製鉄のUSスチール買収問題】バイデンもトランプも否定的だが「選挙中の発言に一喜一憂すべきではない」元経産官僚が読み解く
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン