スポーツ

野球中継の芸人副音声はいらない、350勝投手・米田氏の意見

350勝を上げた米田哲也氏

 近年では、地上波だけでなくBSやCSを通じてレギュラーシーズンの全カードが中継されるようになり、ファンはもちろんプロ野球関係者も大いに喜んでいるはず……と思いきや、現役時代に投手として歴代2位の350勝を挙げ、野球殿堂入りも果たしている野球評論家の米田哲也氏は不満気にこう語る。

「せっかく副音声っていう便利なものができたのに、そこで芸人やタレントが延々とどうでもいい話ばかりやっている。『カープ芸人』とか『タイガース芸人』とかを連れてくればファンが喜ぶと思っているのかもしれないが、そんなのはバラエティ番組でやればいいんだよ。副音声ではオレたちにもっとマニアックな話をさせてほしいね。そうすれば実績があるプロ野球OBの再雇用になるし、野球離れしたオールドファンも帰ってきますよ」

 実際にプロ野球中継で解説者になれるのは元選手や監督のなかでもほんのひと握り。だが、プロ野球経験者だからこそ視聴者を面白がらせる秘話を語れると米田氏は言う。

「『今はもう時効だから話すけど……』というネタはなんぼでもありますよ。のぞき(サイン盗み)が当たり前の時代があって、サインの盗み間違いで右投手のカーブをシュートだと思って左打者が踏み込んでしまって顔面に当たったこともある。

 それから、昔の審判は人間味があった。オレが選手時代は、ど真ん中でも審判が平気で『ボール』の判定を出して、詰め寄ると『半紙1枚分外れてた』なんて平気で言われたからね。逆に良く話をして親しくなった審判はここ一番でストライクの判定をしてくれたりね。表の解説では、評論家がスピードガン(ボールの速度測定)のことばかり話したり、選手をただ褒めちぎってるだけ。だからこそ裏の副音声では、昔の選手たちが、今だからこそ話せる危ない持ちネタを話せばいい」

 放送コードぎりぎりの“危険球”が飛び交うプロ野球中継の副音声。確かに聞いてみたい。

※週刊ポスト2019年10月11日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
麻辣湯を中心とした中国発の飲食チェーン『楊國福』で撮影された動画が物議を醸している(HP/Instagramより)
〈まさかスープに入れてないよね、、、〉人気の麻辣湯店『楊國福』で「厨房の床で牛骨叩き割り」動画が拡散、店舗オーナーが語った実情「当日、料理長がいなくて」
NEWSポストセブン
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
50歳で「アンパンマン」を描き始めたやなせたかし氏(時事通信フォト)
《巨大なアンパンマン経済圏》累計市場規模は約6.6兆円…! スパイダーマンやバットマンより稼ぎ出す背景に「ミュージアム」の存在
NEWSポストセブン
保護者を裏切った森山勇二容疑者
盗撮逮捕教師“リーダー格”森山勇二容疑者在籍の小学校は名古屋市内で有数の「性教育推進校」だった 外部の団体に委託して『思春期セミナー』を開催
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
NEWSポストセブン