だいにぐるーぷアミューズオフィシャルウェブサイトより

だいにぐるーぷ(アミューズオフィシャルウェブサイトより)

「内輪なやりとりが好き!」という視聴者はそれでいいだろう。しかし、33歳にとってそれが辛い。観ているうちに、だんだんとナーバスに。関係性が薄い人のホームパーティーに参加したような気分に陥る。要するに「お前らなんで盛り上がってるの?」と言いたくなるのだ。

 対して「だいにぐるーぷ」は企画の面白さで勝負、そんな潔さが新鮮だった。

 彼らは約1年前に配信した『心霊スポットで1週間生活してみた。』がバズり、人気YouTuberの仲間入りをした。仮に他のグループ系YouTuberが同じ企画に挑戦したとしたら、メンバー全員で共同生活をするだろう。生活の中で起きる内輪のトラブルをネタに動画を作成するはずだ。

 しかし「だいにぐるーぷ」は、前述したように内輪ノリだけをネタにしない。心霊スポットで生活するのはメンバーのうち早大生の西尾のみ。他の面々はあくまで裏方として動画を支えた。「だいにぐるーぷ」の動画において、メンバーとは企画を面白くするための素材でしかない。動画の中心はあくまでも企画だ。

 その後も「1週間」をキーワードに大型企画を連発していく。『1週間逃亡生活』では賞金100万円をかけ、千葉県津田沼全域を舞台に鬼ごっこ。『1週間以内に無人島から脱出せよ』ではメンバー全6人が出演。高学歴チームと中卒チームに分かれ、どちらが早く脱出できるかを競い合った。

 また、「1週間」シリーズは日を追っていくごとに企画が本質から外れていく点が新しかった。西尾による『心霊スポットで1週間生活してみた。』は典型的な例である。鑑賞前、僕は恐怖に耐える西尾をイメージしていた。しかし、動画は意外な方向へと転がっていく。

 毎晩、心霊スポットに現れるのはお化けではなく観光客。西尾は彼らを連れて建物を案内、我が家のように部屋を紹介していく。最終日には過去に訪れた観光客を集めての大宴会in心霊スポット。僕はこの動画で有名心霊スポットの現実を知った。実際のところはお化け以上に人間でやかましい場所なのである。

 予想外の展開を見せた企画は他にもある。たとえばメンバー全員が出演した『1週間以内に無人島から脱出せよ』。動画の冒頭は高学歴チームと中卒チームのイカダ制作に重きが置かれていた。しかし、メンバーの一人・中卒歯抜けニートこと加藤が持ち込んだタバコが無人島生活を狂わせる。「だいにぐるーぷ」は今時珍しい愛煙家集団。喫煙者にとって休み時間の一服こそが至福。しかし無人島というシュチュエーション、容易にタバコを手に入れることはできない。結果、加藤のタバコにメンバーは群がっていく。

 皆が欲しているが手に入れることは難しい。市場の原理でタバコの価値は高騰し、「魚一匹あげるからタバコ1本と交換ね」と、無人島ではタバコが金の代わりとなっていく。

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