国内

炎上の典型的パターン 日本人の「ルール厳守」主義が影響か

ネットニュース編集者の中川淳一郎氏

 ネット炎上には、一定のパターンがある。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、炎上の典型的パターンについて分類し、「ルール厳守」主義が影響していることを浮き彫りにする。

 * * *
 外国人の彼氏と一緒に日本のレストランに行ったことをツイートした日本人女性がネットで叩かれた。要約すると、英語で「これください」と彼氏は言ったが英語力のないウエイターは彼の方を見ることなく女性に喋りかけた、というもの。最後に彼女はウエイターに向かって“I don’t understand”(店の対応が「理解できない」の意)と言ったという。

 彼女への批判を大別すると【1】ここは日本だ【2】あなたが注文してやれ【3】最後の一言は意地が悪い【4】ミスを避けようとしたウエイターが可哀想、など。

 だが、彼女はウエイターが彼氏にコミュニケーションを取ろうとしなかったことを悲しがっているので、論点が噛み合っていない。彼女の気持ちも理解できる。

 どちらが正しいか、については互いの言い分があるため結論は出ないだろう。ただし皆、どうでもいいことに対していちいち意見を言い過ぎてはいないか。非常識だと思ったり、気に食わなかったとしても、わざわざ声を上げることの意味がよく分からない。仕事相手や家族・友人ならまだしも、所詮、赤の他人だ。

 まったく関係のない者の「過干渉」が余計な軋轢を生み、人々の心をギスギスとさせる。いい年した大人なんて考え方は変わるわけがないのだから、諭すようなことはする必要はないし、ましてや猛烈に叩く必要もない。本人が非常識なのであれば、それはそれでその人が選んだ人生だ。非常識の度合いが凄まじかったらいずれしっぺ返しを食らうだろう。

 外野が一斉に一人の人間をボコボコにする様というのは、仮に元ネタの発信者が非常識であったとしても、「もう充分に叩かれているから、自分はこの“祭”に参加しないでいいかな。もう乗り遅れちゃったもんね」ぐらいに思えばいいのである。

関連キーワード

関連記事

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン