トヨタとホンダの因縁の対決といえばハイブリッドカー「プリウス」vs「インサイト」があるが、ヴィッツvsフィットの場合、ホンダのほうが受けて立つ側だ。

 現行の第3世代フィットは新機軸のハイブリッドや高効率エンジンという看板を引っさげて鳴り物入りで登場したが、直後に連続5回ものリコールを出すという“オウンゴール”でブランド力を大きく失墜させてしまった。また、デザイナーの功名心的自己表現が散りばめられたデザインも少なからず批判を浴びた。同じ間違いを二度繰り返すわけにはいかない。

 この第4世代フィットの全貌が明らかになるのは、まさに東京モーターショー会場だ。このフィットについての詳細は取材を試みてもほとんど裏情報を聞くことができなかったが、ひとつ聞けたのは動力性能。ホンダは1モーター(フィットなど)、2モーター(インサイトなど)、3モーター(「レジェンド」「NSX」)の3種類のハイブリッドシステムを手がけているが、それを2モーターに一本化すると明言している。

 第4世代フィットに積まれるのも2モーターなのだが、試作車を走らせてみた関係者によれば、「加速力のすごさは異常。インサイトどころじゃない」とのこと。仕様のアウトラインは教えてもらえなかったが、走りの印象を聞いた限りでは、インサイトと同等のものを積んでいるものと推察される。

 インサイトでさえ加速力はかなりのものだったのに、それよりはるかに軽いフィットに同じものを積めば、激速になるのは当たり前だ。そんなものをベーシックカーに積んでコストは大丈夫なのかという疑問はさておき、商品力はかなりのものになるだろう。

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