とはいっても、川沿いでなければ安心とも言い切れない。今年6月、東京大学と早稲田大学は共同研究として「東京23区浸水危険度マップ」(表参照)を発表した。約3000戸が浸水被害を被った2005年9月の「杉並豪雨」を想定し、1時間に50mmを超える雨が2時間半にわたって降った場合、浸水が1mを超える地点を示したものだ。
「強い勢力を持った今回の台風19号は、上陸前の段階では東京都心を含む首都圏で1時間に80mmを超える猛烈な雨が降ると予想されていました。実際には50mm以内の雨量に留まったことで被害エリアが限定されましたが、もし予想通りの雨量だったら、この危険度マップで示されている以上に多くの場所で浸水被害が発生したはずです」(防災アドバイザー)
危険エリアは「地名」からも判断できるという。
「水に関係する地名には気を付けた方がいい。たとえば『渋谷』。スクランブル交差点から周囲を見回すと、宮益坂や道玄坂など四方を上り坂に囲まれていて、どの方向からも水が流れ込む。まさに『谷』なわけです」(土屋さん)
東京には、ほかにも四ツ谷や日比谷、市ヶ谷、茗荷谷など谷がつく地名が多いが、いずれも低地であり、浸水被害が懸念されるエリアとされている。
今回の台風で、「氾濫危険情報」が出た河川や「危険度マップ」も参考に、近隣に住む人は防災の意識を高めたい。
※女性セブン2019年10月31日号