グラビア

伝説グラドル麻田奈美 林檎とニットに共通するチラリズム

麻田奈美は一斉を風靡した(撮影/青柳陽一)

 1970年代の『平凡パンチ』に掲載された“林檎ヌード”で一世を風靡した麻田奈美。実は、彼女こそがグラビア界における「ニット巨乳」の先駆け的存在だった。当時、彼女がニットを着た写真は『平凡パンチ』の表紙に採用されており、後世のグラビア表現にも影響を与えた。撮影した写真家・青柳陽一氏に撮影秘話を聞いた。

 * * *
 私は女性のヌード撮影のテクニックのひとつとしてニットを使用していました。現場に入って、最初から裸の撮影を始めると、女のコも警戒します。モデルの心を和ませるためにニットやワイシャツを着た状態から徐々に脱いでもらっていました。麻田奈美のときにも、ヌードを撮る前に、分厚い白のニットを用意し、何枚か撮っています。

 美しく自然なヌードを撮るためにはカメラマンとモデルに医者と患者のような信頼関係が求められます。カメラマンはモデルのことを第一に考え、守ってあげる気持ちでいなければなりません。私は当時18歳だった彼女を撮るとき、髪の毛を直す意外、一切手を触れませんでした。それゆえ彼女の信頼を得て、“伝説のヌード”を撮ることができたのです。

 この写真はたしか沖縄が日本に返還された翌年、久米島でロケをしたときのものです。写っているオレンジ色のニットは、本人の私物です。当時は、スタイリストもおらず、本人の普段着ならリラックスできるかと考え、持ってきてもらいました。彼女の特徴である肉体の豊満さがよく出ている写真だと思います。

 このニットが面白かったのは透けるところでした。ブラジャーを着けずに撮影するとニットの網目の隙間から乳首が透けて見えますし、大きく盛り上がった胸のフォルムも印象的です。撮影者は「見たい」という男の欲望を逆手に取って、ほんの少しだけ、胸の姿をチラリと見せる。見えそうで見えないこのチラリズムは、ニットが醸し出すエロスにもありますし、股間だけ果物で隠す林檎ヌードにも通じる仕掛けです。

【profile】あおやぎ・よういち/1938年生まれ。福島県伊達市出身。写真家。多摩美術大学在学中に写真家・杵島隆氏に師事。1962年からフリーカメラマンとなり、女性ポートレート、広告写真などで活躍。近著として電子書籍版『岩魚が呼んだ』(小学館)を10月に上梓。

※週刊ポスト2019年11月1日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
横浜地裁(時事通信フォト)
《アイスピックで目ぐりぐりやったあと…》多摩川スーツケース殺人初公判 被告の女が母親に送っていた“被害者への憎しみLINE” 裁判で説明された「殺人一家」の動機とは
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト