「緑内障は眼球内の水の流れに問題があって眼圧が高まることで悪化すると考えられています。排水溝に当たる部分の蓋を外すアプローチで治療するMIGSという手術は、麻酔も目薬だけで、ひと針も縫わない簡単なもの。原理は以前からわかっていたのですが、医療機器の進歩があって、ようやく実現しました」(平松さん)
昔から「痛い治療」の筆頭にあげられる歯科分野も目覚ましい技術革新を遂げている。
あの脳にキュイーンと響くドリルで「削る」治療の代わりに「溶かす」治療が実用化しているという。もちろん、そこには痛みもイヤな音もない。
「痛くない虫歯治療」を体現する新橋歯科診療所院長の白井清士さんのもとには全国から患者が詰めかける。
「最新の虫歯治療ではゲル状の薬剤『カリソルブ』を使い、虫歯の部分だけを溶かして治療します。痛みを伴わず、健康な組織を傷つけることもない画期的な治療法です。ドリル類はできるだけ使わないので振動や音による恐怖もありません。もちろん大きい虫歯で神経に近ければ少し痛むことはありますが、麻酔でおさえられる程度のもの。削れた歯による誤嚥や口内の粘膜に傷がつくことも避けられます」(白井さん)
※女性セブン2019年11月7・14日号