同研究は、英オックスフォード大学のタミー・トン氏らがベジタリアン(菜食主義)と「虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)」「脳卒中」との関連を18年以上、追跡調査したもの。対象は、英国の男女4万8188人だ。
そのうち、肉を全く食べない「菜食群」と「肉食群」を比較したところ、菜食群の脳卒中発症リスクは、肉食群よりも20%増加したという。この結果をどう読み解くべきか。前出・津川医師が解説する。
「同研究では、菜食群と肉食群に加え、『魚食群(野菜と魚は食べるが、肉は食べない)』も比較していますが、彼らの脳卒中リスク上昇は認められていませんでした。
つまり、この結果が示しているのは、『野菜が脳卒中のリスクを上げる』ということではなく、『魚介類を含めて動物性のたんぱく質を一切摂取しないと、足りない栄養素が出てくる』ことだと考えるべきでしょう。従来の医学論文を踏まえても、野菜のみの極端な食生活にするのではなく、動物性のたんぱく質、特に魚は積極的に食べたほうが良いと考えられます」
◆牛乳、ヨーグルト…「乳製品の摂りすぎ」で「がんリスク増」
「牛乳を飲んで骨密度を高め、骨粗鬆症を予防」「ヨーグルトで腸内環境を改善」など、乳製品はメリットが強調されることが多い。
だが、デメリットに目を向けると、乳製品の摂りすぎによって、前立腺がんや卵巣がんのリスクを高める可能性がある。