航続距離だけでなく走りにもこだわったホンダの小型EV「ホンダe」
もうひとつの注目である「ホンダe」。こちらは今年9月のフランクフルトモーターショーでワールドデビューを飾ったコンパクトEVです。ただし、小型でもトヨタほど小さいわけではなく、歴とした4人乗り。航続距離は最高220km程度といいます。
価格は、欧州で3万ユーロ(約360万円)ですから、トヨタの超小型EVとはジャンルが異なります。「ホンダe」の魅力は、コネクテッド機能が充実しており、インテリアの質感も高いところ。タイヤを見れば、ミシュランのパイロットスポーツが装着されています。航続距離を伸ばすためのエコタイヤではなく、スポーティなタイヤです。
しかも、フランクフルトで紹介されたときは、並べられたパイロン路をキビキビとスラローム走行する姿が公開されています。後輪駆動ですし、コンパクトですから、走らせてみると、相当に面白いのかもしれませんね。
運転席の前のモニターは非常に大きく、シートはまるでソファのようになっていますから、クルマを停めた状態で、コネクテッド機能を利用してモニターで映画を見るような使い方もおすすめとか。走って楽しく、停まって新しい使い方ができる。しかも室内の質感がいいから、居心地もなかなかのものです。
トヨタとホンダの最新EVはどちらも小型という点では共通していますが、キャラクターはまったく違うものでした。“ちょい乗り用”として日常の足に使うトヨタの「超小型EV」に対して、ホンダの「ホンダe」は目新しくて良いものが欲しいという嗜好品となることでしょう。
小さなEVがヒットすれば、私たちの生活圏で目にするクルマの姿も大きく変わるはず。世の中の風景を革新させる可能性のある2台。ぜひとも東京モーターショーの会場で現物の2台を見比べてみてください。
まるで「EV祭り」の東京モーターショー2019(東京ビッグサイト)