でも、その立場ゆえ、結局、「札幌」をのまされた。IOCの通知からわずか16日、しかも五輪開催まで残すところ10か月のこのタイミングでの変更は苦渋の選択だったろう。「合意なき決定」という言葉にどれだけ無念な思いが詰まっていたことか。
IOCは「暑さゆえ途中棄権の選手が出ないよう配慮してのこと」だと言うが、東京のコンディションについて知らなかったわけはなかろう。ハードなコンディションであることを意識した上で、選手たちは練習を重ねてきた。会場関係者やボランティア、観客も含め、多くの人がそれぞれの準備を進めてきた。なのに、それがいとも簡単にひっくり返された。
入試制度にしても、五輪の競技開催地にしても、変更に至る経緯があまりに軽々しすぎないか。
一部の上の連中が勝手にあれこれを変更し始めて、下の人たちはそれに馴らされて鈍感になっていく…世の中がそうなったらイヤだな。
※女性セブン2019年11月21日号