「貼付剤には、主に抗炎症作用のある『サリチル酸メチル』や『インドメタシン』、『ケトプロフェン』などが使われています。しかし、多くの貼付剤は、効果が非常に限定的で変形性関節症など一部の症状を除いて証明されておらず、わざわざ研究する人もあまりいません。欧米ではほとんど普及していません」

 抗炎症薬の配合率が高い医療用の貼付剤も注意が必要。「ケトプロフェンが含まれる貼付剤の場合、貼ったまま太陽光に当たると皮膚がかぶれる『光線過敏症』を発症することがあります。また、ケトプロフェンは胃を荒らすため、貼付剤の成分が皮膚から吸収され血中に入ると、稀に胃潰瘍になるケースもあります」(宇多川さん)

 貼付剤と似た商品として、発熱時におでこに貼るジェル状シートも同様だ。

「貼付剤よりも水分量が多いため、体表温度が3℃ほど下がりますが、20~30分で効力を失い、ほとんど意味がないといっていい。高熱の場合、貼ったまま適切な処置をしないとむしろ頭部温度を上昇させ症状が悪化します。いちばんよいのは、氷枕で頭を冷やし、こまめに取り換えることです」(加藤さん)

※女性セブン2019年11月21日号

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