親に見捨てられないよう、何事も「早くしなければ」「完璧にしなければ」「競争に勝たなければ」と必死で頑張った人ほど、将来“毒母”になってしまいがちだ。
「たとえば、テストで90点を取った子供に『どうして100点じゃないの!』と怒鳴るような親は、自分が子供の頃に『完璧にできなければ親に嫌われて、育ててもらえなくなる』と戦慄し、今もその強迫観念に支配されて生きているのです。そのため、子供の気持ちを思いやる余裕がまったくなく、いちいち過剰反応を起こしてパニックになるのです」
そんな“毒母”に激しく責められた子供は、「自分はダメなんだ」「親の期待に応えられない自分は価値がない」などと自己否定的な思い込みを持ってしまう。成人後も人と自分を比べて落ち込んだり、人に嫌われているのでは、評価されていないのでは、バカにされているのでは…などと思いやすく、生きづらさを抱えがちだ。
「つねに人の顔色をうかがっていたり、視線や物音、匂いなどに過敏になったりする一方で、自分の悲しみや恐怖を感じずに済むよう、感情にフタをする『感情マヒ』という状態に陥る人がほとんどです。ことあるごとに親に否定され続けたため、自分が何をやりたいのかもわからない人も多い。幼少からの過緊張と感情の抑圧で、脊椎側弯症のように体がゆがんだり、自己免疫疾患の持病がある人も少なくありません」
※女性セブン2019年11月21日号