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オバ記者 包丁出して「憎いなら殺れ」と母親に迫った過去

アラカン記者・オバ記者が「体罰」「しつけ」について考えを語る(写真/アフロ)

 体当たり企画などでもおなじみの『女性セブン』の名物ライター“オバ記者”こと野原広子(62才)が、世の中で話題になっていることに、自由な意見をぶつける。今回のテーマは「役所が定めようとする“体罰”は、世間とかなりズレている」だ。

 * * *
 ホント、役所のやることにはピント外れが多いけど、今回の厚生労働省もそう。

「しつけ」と称した虐待が相次いだのを受けて、「改正児童虐待防止法」が2020年4月から施行されるんだけど、それに先立って示された「体罰」のガイドラインの内容がなんともヘン!

「体罰」のガイドライン(厚生労働省の指針案より)
【1】注意しても聞かないので頬を叩く。
【2】いたずらをしたので長時間正座させる。
【3】友達を殴ったので同じように殴る。
【4】他人の物を盗んだ罰で尻を叩く。
【5】宿題をしないので夕ご飯を与えない。

 この5項目のほかにも、「お前なんか生まれてこなければよかった」と冗談で言ったり、きょうだいを引き合いに出してダメ出しするのもアウトなんだって。でも、この程度のことは、子育ての過程でどこの家でも少なからずあると思う。ガイドラインを作った人たちは、子供と身近に接したことが果たしてあるんだろうか?

 *

 私は自分の子供はいないけど、小学3年生の頃から子守りをする機会が実に多かったんだよね。弟、従妹から近所の子まで、背中におんぶひもをくくりつけてあやしてきた。背中の乳児は寝るとますます重くなるけれど、万が一この子にけがをさせたりしたら私もタダでは済まないんだなと思った。

 そう思いながらも、正直言って、子供に手を上げたことが何度かあるんだわ。

「感情に任せて手を上げたら体罰。冷静に叩いたら体罰ではない」と言う人もいるけれど、感情を高ぶらせずに手を上げるかね!? 「この野郎! ふざけんなっ」と拳を握った瞬間、頭にカーッと血がのぼっているわよ。それでも大事に至らないのは、とっさに手加減しているから…なのよね。

 時と場合によって、子供相手に手を出すこともアリだと私は思っているけど、その一方で、後悔していることも2つほどあるの。

 1つは、私が風邪をひいて寝ていて、その枕元を親戚の子供2人が走り出した時。

「やめて」と布団をかぶると、「ヒャハハ」と甲高い声。「お願いだから、ゴホゴホ、寝かせて」「や~だよ、ヒャハハハ」。

 悪ふざけでテンションが上がった子は(私の生まれ育った茨城県では“箱を背負った(しょった)”というんだけどね)、“狂気”を帯びている。兄、妹で交互に私の枕元をスレスレに走ったり、布団の上にドスンと体を投げ出したり―気づくと私は布団を跳ねのけて、8才の男児の腕をつかんで、頭を平手で思い切りひっぱたいていた。彼は泣きべそをかきながら、2才下の妹の手を引っ張って部屋から出て行った。あの時の殺意に近い感情は、30年以上たった今も鮮明に覚えている。

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