ビジネス

コンビニvsファストフードの熱きコーヒー戦争 各社徹底比較

「高級キリマンジャロブレンド」が加わったセブンカフェ

「高級キリマンジャロブレンド」が加わったセブンカフェ

 2013年から本格販売が始まり、いまやコンビニチェーンの“稼ぎ頭”になっているカウンターコーヒー。トップの売り上げを誇るセブン-イレブンの「セブンカフェ」は、1日1店あたり約130杯、年間約11億杯も飲まれているというから驚きだ。だが、セブンの独壇場を阻止すべく、他のコンビニやファストフードチェーンでもコーヒーを刷新し、味や風味の改良が繰り返されている。フードジャーナリストの重盛高雄氏が、主要コンビニ・ファストフードチェーンの最新コーヒーを飲み比べた。

 * * *
 全日本コーヒー協会の調査(コーヒーの需要動向に関する基本調査)によると、日本人1人が1週間に飲むコーヒーの杯数は、1998年の11.02杯から2018年の10.62杯と数値的にはほぼ横ばいとなっている。

 飲用場所別の杯数を見ると、家庭が6.54杯ともっとも多く、喫茶店・コーヒーショップは直近の数値で0.33杯、レストラン・ファストフードが0.17杯と一番少ない結果となっている。近年、スターバックスやドトールなどコーヒーチェーンの台頭や、マクドナルドはじめファストフードの店舗数の多さを見ると、意外な数値といえる。

 家庭でのコーヒー飲用機会が変わらず多い背景には、間違いなくコンビニ持ち帰りコーヒーの存在があるだろう。

 2013年、最大手であるセブン-イレブンが店舗にコーヒーマシンを設置したことにより、コンビニコーヒーは一世を風靡し、知名度の高まりとともに一気に飲用チャネルの表舞台に躍り出た。それまであまりコーヒーを飲まなかった若年層や女性たちも、コンビニのレジ前に漂う挽き立てコーヒーの香りに誘われ、パンやスイーツなどと一緒に“ついで買い”する。購買意欲を掻き立てるコンビニ側の販売戦略が見事に当たった形だ。

 そんなコンビニコーヒーの勢いに完全に押されているのが、持ち帰り需要も多いファストフード業界だろう。

 これまでファストフードチェーンはハンバーガーやチキンといった主力商品ばかりが注目されがちだったが、中食市場の高まりとともにコンビニのレジ横総菜などにも顧客を奪われつつある。そこで、食料品とセットで販売する飲料、とりわけ差別化ができるコーヒーの存在感を高めることが至上命題となっている。

 折しも今年10月の消費税増税でテイクアウトメニューが軽減税率の対象となったため、コンビニ、ファストフード各チェーンとも再び持ち帰りコーヒーに磨きをかけようと、味のリニューアルや販促活動にも熱が入っている。

 そこで、コンビニ3社(セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート)とファストフード3社(マクドナルド、モスバーガー、ケンタッキーフライドチキン)の最新コーヒーの特徴を紹介し、飲み比べてみた。※以下、価格は税込み

関連キーワード

関連記事

トピックス

中居、国分の騒動によりテレビ業界も変わりつつある
《独自》「ハラスメント行為を見たことがありますか」大物タレントAの行為をキー局が水面下でアンケート調査…収録現場で「それは違うだろ」と怒声 若手スタッフは「行きたくない」【国分太一騒動の余波】
NEWSポストセブン
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
皇室に関する悪質なショート動画が拡散 悠仁さまについての陰謀論、佳子さまのAI生成動画…相次ぐデマ投稿 宮内庁は新たな広報室長を起用し、毅然とした対応へ
女性セブン
定年後はどうする?(写真は番組ホームページより)
「マスメディアの“本音”が集約されているよね」フィフィ氏、玉川徹氏の「SNSのショート動画を見て投票している」発言に“違和感”【参院選を終えて】
NEWSポストセブン
スカウトは学校教員の“業務”に(時事通信フォト)
《“勧誘”は“業務”》高校野球の最新潮流「スカウト担当教員」という仕事 授業を受け持ちつつ“逸材”を求めて全国を奔走
週刊ポスト
「新証言」から浮かび上がったのは、山下容疑者の”壮絶な殺意”だった
【壮絶な目撃証言】「ナイフでトドメを…」「血だらけの女の子の隣でタバコを吸った」山下市郎容疑者が見せた”執拗な殺意“《浜松市・ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
連続強盗の指示役とみられる今村磨人(左)、藤田聖也(右)両容疑者。移送前、フィリピン・マニラ首都圏のビクタン収容所[フィリピン法務省提供](AFP=時事)
【体にホチキスを刺し、金のありかを吐かせる…】ルフィ事件・小島智信被告の裁判で明かされた「カネを持ち逃げした構成員」への恐怖の拷問
NEWSポストセブン
「情報商材ビジネス」のNGフレーズとは…(elutas/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」は“訴えれば勝てる可能性が高い”と思った》 「情報商材ビジネス」のNGフレーズは「絶対成功する」「3日で誰でもできる」
NEWSポストセブン
入団テストを経て巨人と支配下選手契約を結んだ乙坂智
元DeNA・乙坂智“マルチお持ち帰り”報道から4年…巨人入りまでの厳しい“武者修行”、「収入は命に直結する」と目の前の1試合を命がけで戦ったベネズエラ時代
週刊ポスト
組織改革を進める六代目山口組で最高幹部が急逝した(司忍組長。時事通信フォト)
【六代目山口組最高幹部が急逝】司忍組長がサングラスを外し厳しい表情で…暴排条例下で開かれた「厳戒態勢葬儀の全容」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
小室眞子さん“暴露や私生活の切り売りをビジネスにしない”質素な生活に米メディアが注目 親の威光に頼らず自分の道を進む姿が称賛される
女性セブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
パリの歴史ある森で衝撃的な光景に遭遇した__
《パリ「ブローニュの森」の非合法売買春の実態》「この森には危険がたくさんある」南米出身のエレナ(仮名)が明かす安すぎる値段「オーラルは20ユーロ(約3400円)」
NEWSポストセブン