コメとともにカレーも変化

 コメが進化すればカレーも変わる。特にこの数十年、家庭の食卓では固形のルウを使ったカレーが絶対王者だったが、この数年で各種スパイス&ハーブから作る「スパイスカレー」が家庭でも人気となり始めている。「そもそもカレーにはスパイスが使われているはずなのに、『スパイスカレー』という名はいかがなものか」という声もあるものの、舶来文化をカスタマイズしてきた、日本ならではの食文化がその源流へと回帰しようというトレンドのようでもあり、実に興味深い。

 望まれざる流行として挙げられるのが豚コレラ(CSF/豚熱)だろうか。豚とイノシシ特有の病気で、下痢や発熱を伴う。人間には感染らないが、現在アジア圏で猛威をふるっていて、日本でも岐阜県で発生が確認されて以降、中部地方を中心に東は関東、西は京都まで20に及ぶ都府県がワクチン接種推奨地域となってしまっている。一刻も早い事態の収束が望まれる。

 番外編としては、この数年快進撃を続けてきた「いきなりステーキ」が年末に40店舗以上の閉店を発表したことや店頭に創業社長の一瀬邦夫氏による「来店のお願い」が掲出されたことがSNSで話題となった。

 Twitterでは「(運営会社の)ペッパー、四季報の見出し変遷 【いきなり加速】⇒【いきなり減速】⇒【いきなり閉店】(2017年秋号⇒2019年夏号⇒2020年新春号)」と揶揄されてしまっていた。年の瀬は悲喜こもごも。逆風にさらされている方々におかれても、来年はぜひ捲土重来を期待したい。その姿は日本経済にも重なるからだ。2020年が読者諸兄にとっていい年でありますように。

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